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マルタ前サンパウロ市長を起訴=財政責任法違反の疑い=5億9060万R$支払え

5月11日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】マルタ前サンパウロ市長が九日、財政責任法違反の疑いで起訴された。起訴したのはサンパウロ州検事三人で、連名でサンパウロ市会計法廷に提訴した。受理されると年内には判決が下される見込み。
 起訴状によると、前市長は財政責任法違反を承知で支出を重ね、二〇〇三年に市公庫に損害を与えたとして、罰金も含む五億九〇六〇万レアルをサンパウロ市に払うよう求めている。また〇三年当時の財務局長ら六人も同罪として起訴され、前市長を含む七人で払い戻しを分担することも求めた。
 検事側の言い分は、〇三年のサンパウロ市の支出は一一五億一〇〇〇万レアルに対し、収入は一〇九億二〇〇〇万レアルと大幅な出超で明らかに同法第四三条に違反しているというもの。またこの赤字について、収入の目途を明らかにしていないのは公職法に違反するとしている。
 さらに次期市長に引き継ぐ際、残した債務に相当する現金を市の公庫に用意しておくことが同法で定められているが、それを怠ったとしている。そればかりか〇四年末には債務の未払い、市職員給料の遅配などの職務怠慢など、全て同法第九条に違反していると指摘している。
 検事側は払い戻しの請求のほか、全員に対し五年から八年の政治活動の停止、五年間の公職追放、五年間の公共機関との契約や融資の禁止、個人会社の筆頭株の所有禁止を求めている。また払い戻し金は二回分割払いまでとしている。
 マルタ前市長が昨年の市長選挙で敗北した折、財政責任法違反が取り沙汰されたが、サンパウロ市検察が不起訴処分とし一件落着したかに見えたが、今回またブリ返した形となった。前市長は裁判所から正式な通知がないので何ともコメントできないとした上で、〇三年の決算は市議会および会計法廷で承認された正当なものだと反論している。