百歳を迎えても寝たきりでは意味がない。まわりもたいへんだ。健康でなお人の役に立ってこそ、「百歳、おめでとう、すごい!」だ。ロンドリーナの百歳、金須ちどりさんを紹介しよう▼息子六人、娘八人を育てた。十四人が結婚して孫が三十九人、そして曾孫五十九人、さらに玄孫が二人生まれて、いま五世代百九人の大家族である。十四人の子育ては、現在の少子化時代では、想像を絶する〃壮挙〃といっていい。壮挙を成し遂げた人に限って、夢中だったので、特に苦労は意識してなかった、などと言う▼毎週、仲間と民謡を唄い、踊りもする。身体が強健なのだ。だから、十八歳で結婚し、十四人の子を生んで、なお健康を維持している。とにかく、いまも「日常生活は現役」である▼健康の秘訣は何ですか、とよく人に問われる。答えを列挙しよう。早寝早起き、よく水を飲む、身体をよく動かす、起床前カーマの上で手足を動かす、起きたら窓を開けて深呼吸五回、朝食の用意に参加する、庭に出てネギや生姜の手入れをする、魚を週二回は食べる、そして趣味がある。これが民謡歌唱・踊りである▼答えてもらえば、至極当たり前のようだが、百年は平坦でなかったはず。宗教の教えのような言い方をすると、ちどりさんは、「神に長寿を与えて下さい」とお願いして、それがかなえられたのではない。「神が与えた、移民妻としての労苦を、人としての当然の試練として受け止め、越えてきた」からからこそ、現在があるのだろう。(神)
05/5/11