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コラム 樹海

 高橋君という若手の建築家が「こんな文協ビルはいかが」という建築プランを卒論のテーマにし模型まで製作し提案しているの記事が社会面の記事にあった。大変に面白い考え方であり周辺の土地買収を含め体育館の建設もあるのがいい。これまでの文化協会は「日本文化の普及」に力点を置き過ぎて「若い人に魅力ある組織」とは、遠い存在であったのは否めない事実である▼勿論、若い2世から「将来的にはスポーツも」の意見はあったけれども、所謂―一世指導層には「クラブになりかねない」の慎重論が支配的であった。だが、これからの文化協会を考える場合には、50メートルのプールや赤ちゃんにも泳ぎを教えられるようなプール。バレーとバスケットや柔剣道・空手などの道場があってもいい。少なくとも、室内で可能な運動を取り入れるほどの勇気が欲しい▼文化の価値が高いのは確かだが、これほどの「カネ食い虫」もない。それに―これほど普及に時間が必要なものもない。日本の文化を象徴するものには華道・茶道を始め能や謡曲・歌舞伎・舞踏と幅広いが、これらを一般のブラジル人によく知ってもらうためには莫大な費用と長い長い時間が掛かる。とても5年や10年ではできっこないし、気長に構えて普及を図るしかない▼高橋君は「もっと開かれた文協を」と語る。その裏打ちの一つが体育館構想と見たい。以前から文協を大きくの意図から会員増強運動が実施されてきたが、あまり成功してはいない。何故か。運動ができるなどの見返りがないからに他ならない。文化だけで人はもう集まらない。(遯)

05/5/12