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「PCコネクト法」制定へ=IT普及を推進=パソコンは5年間免税=法人税納税期限延長も検討

5月13日(金)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十二日】連邦政府は十一日、「PCコネクト」法を制定し、インターネットの普及を進める方針を発表した。二五〇〇レアル以下のコンピューター販売は、五年間にわたり連邦税を免除する。他に一部法人税の納入期限を各週から各月へ延長することを決定した。この政策により、企業の生産を奨励し運転資金の捻出を支援する方針。企業が工場を新設する場合、機械設備の減価償却は三十カ月とし税負担を軽減する考えを明らかにした。
 政府はインターネットを普及させ、IT時代の到来に対応する方針を明らかにした。ルーラ大統領は十二日、プロジェクト「PCコネクト」を発表し、二五〇〇レアル以下のコンピューターに対し連邦税を五年間免除することを明らかにした。政府の推定では、一六〇〇レアル以下のコンピューターでも十分機能するという。
 二五〇〇レアルまで免税点を引き上げたのは、グレイ・ラインと呼ばれる密輸品の徘徊を防ぐためという。密輸品は部品を別々に購入して自宅で組み立てるのが普通で、密輸部品の売買を防ぎ、市民の必要に合わせた高性能コンピューターの購入に、政府は便宜を図ったといえそうだ。
 政府はこれまで再々インターネットの普及を奨励したが、効果が上がらなかった。政府自体のコンピューター導入が常に後手に回っていたからだ。政府の技術関係者は検討の結果、ソフトウエアのリヌックスが取り入れているフリー・ソフトウエア方式を採用する方針に至った。
 この方式は許可料の支払い義務がなく、ソフトの複製や再加工、配線も自由。十一日までプロジェクトは未決だったが、十二日急きょ閣議で決定した。政府は「PCコネクト」法の制定を急いでいる。暫定令の形式で発令し、議会の緊急審議を要請する。
 「PCコネクト」法により、現政権任期末の二〇〇六年までに二百万台のコンピューターが普及できる見通し。〇五年に百万台、さらに〇六年に百万台を最低賃金以下の低所得層に普及させる。月六十レアルの二十四回分割払いで、政府は購入を促す計画。インターネットの使用料は、約十五時間で七・五レアル。家庭用であれば月間、十五時間で十分と思われる。
 他に生産部門を活性化させるため、政府は一部法人税の納税期限を週から月へ延長した。これは企業の資金繰りに便宜を図り、高金利の資金需要を減らすことを目的としている。これまでは、メーカーが生産し売上を計上するまでに六十日を要した場合でも、税金は週毎の先払いだった。インフレ再燃が懸念される現在、どんな結果を招くかが注目されている。
 ベルナルド予算管理相は、生産部門活性化のために税収を国内総生産(GDP)の一六%までに制限する計画という。それは、〇六年度予算基本法(LDO)に盛り込む予定だと述べた。全国工業連盟(CNI)は、輸出競争力の強化につながると政府の減税計画を評価した。他にソフトウエア企業やITサービス企業への税制恩典を決定したことも、業界から歓迎されている。