5月18日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】野党ブラジル社会民主党(PSDB)と自由前線党(PFL)は十六日、郵便局内に構築されたリベート徴収システムを摘発するため、議会調査委員会(CPI)設置を求める署名運動を始めた。同システムは、ジェフェルソンブラジル労働党(PTB)党首の懐刀とされる人物によって構築されたという告発だ。野党はCPIを郵便局のみに止まらず、ペトロブラスやインフラエロなど公団全般にわたる不正行為の摘発を求めた。
週刊誌ヴェージャの報道で郵便局のリベート・システムが、俎上に上がった。同件をPTB独自の問題として処理しようとする政府に対し、野党はそれが連立与党の組織的な政治資金徴収システムだとしている。同誌の告発報道では、政府は公団にも広くシステムを広げていると暴露された。
盗聴記録によれば、郵便局業務委託課のマリーニョ前課長は、ペトロブラスやBR配油公団、エレトロノルテ、インフラエロにも差し障る発言をしている。この犯罪手口は、ジルセウ官房長官の元側近ワウドミーロ・ジニスが使ったとされる。野党は犯罪が政府組織の広範囲にわたり、郵便局不正はその一端だと訴える。
政府の不正摘発の音頭をとるヴィルジーリオ上議(PSDB)は、告発された公団が独立採算性を採り予算法の枠外にあるため、背任行為が表沙汰にならないと述べた。公団での不正資金の徴収は、告発されても逃げ道があり、弁解できるため悪用されているという。
ボルンハウセンPFL党首が、署名運動に加わらない党は政府と同じ穴のムジナであるとした。この種の不正行為が国会議員のポケットマネーとなるので、「小遣い銭CPI」と同党種は命名した。これは野党のCPIではなく国会のCPIで、国会議員の良心が問われているという。
CPI設置に必要な署名数は、上院が二十七人で下院が百七十一人とされる。カヴァウカンチ下院議長は、CPIが必要な重大問題かどうかまだ確信がないという。連立与党議員が、CPI委員多数派を組織し、ジニス事件のようにもみ消してしまうこともありうる。
ジェフェルソンPTB党首は、コロル元大統領を辞任へ追いやった特殊部隊のメンバー。すでに六代の政権に仕え、風見鶏としての時代読みには定評がある。巧みな政治取引により要職を取り込んできた。
ジェフェルソン党首とPTB党員らは、郵便局のマリーニョ前課長と関係を持つ疑いで連邦警察の捜査線上に浮上している。連警は十六日、贈収賄の容疑で前課長周辺の捜査を始めた。バストス法相は、捜査を郵便局だけに止めるよう要請した。法相は政府と公団を隔離し、告発にあったような政府組織全般に根を張るシステムの存在を否定している。
オリベイラ通信相は十六日、疑惑の関係者を全員更迭した。また連警は週刊誌が暴露した盗聴テープのコピー提出を出版社に要請した。盗聴を録音した事業家は、秘密に伏せられている。郵便局には他にもPTBの息がかかった人物が多数おり、連警の捜査対象となっている。