アグリビジネス

5月18日(水)

 種苗のバイエル・クロップサイエンスは綿と米、菜種に専念し、大豆とコーンの営業権をオランダのニデラに売却した。同社は麻州のプリマヴェラ・ド・スール郡に、百万ドルを投じて農事試験場を設置する。同社の特製綿は生産量が高く、除草剤と殺虫剤に抵抗力のある遺伝子組み替え種である。米はリオ・グランデ・ド・スル州のカッポン・デ・レオン郡で試作している。
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 ブラジルのバイテク企業連合は植物の遺伝子解読で九九年後半、一億八六〇万レアルを投じ、植物と雑草のゲノム共同研究に挑んだ。現在ようやくDNA銀行が注文に応じられる形態を整えた。特に十三カ国の企業十七社が、サトウキビの新種を求めている。バイテク企業連合はサトウキビ新種を植え付けた場合、ヘクタール当たり十三レアルをローヤリティとして徴収する。
 いわしの缶詰でお馴染みのゴーメス・ダ・コスタを買収したスペインのカウヴォ社は、二二〇〇万ドルを投じてサンタ・カタリーナ州イタジャイ市の缶詰工場を拡張し、南米地域の輸出拠点とする計画だ。EUのいわし消費は二・五キロだが、南米はわずか百三十グラムで将来有望と見ている。同社は世界有数のいわしの缶詰メーカー。
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 これまで六月から一月までとされたかんきつ類の収穫は、かんがいによる新しい生産技術で年中収穫が可能になった。かんがい管理で開花を調節し、収穫期を長期に引き伸ばす技術を開発した。ブラジルでは全かんきつ類の一二%に当たる一億二〇〇〇万本にかんがい設備が施された。しかし、生産者とジュース工場との確執は解決の目途がない。ジュースの大手四社がカルテルを構築しているらしい。