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過去2番目の森林破壊=政府目標大幅に上回る=大豆生産地、麻州で著しく

5月20日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】ブラジルの森林が一年間で二万六〇〇〇キロ平米にわたり消滅し、自然環境の破壊が進んでいる。宇宙調査院が衛星写真を分析して明らかにしたもので、二〇〇三年八月から〇四年八月までで、前年比六%の増加となった。政府目標が二%だったことから環境省では懸念を示し、政府の対応が迫られている。これを受けてグリーンピースやNGO団体も抗議声明を発表した。
 森林破壊面積は二万六一三〇キロ平米に及び、〇二/〇三年の二万四五九七平米に比し六%の上昇を見せて、統計史上では九四/九五年の二万九〇五九平米に次いで二番目に大きいものとなった。面積は少ないながらも、〇二/〇三年も前年比六%の上昇となっていることから、二年連続で政府目標の二%を大幅に上回ったことで環境省は憂慮している。
 同省ではこの原因として木材用樹木の伐採増加のほか、大豆畑のための開拓、不法私道の建設などを挙げている。とくに大豆産地の拠点のマット・グロッソ州では森林破壊が四八・一%を占める。また森林や農産物を運送するため建設された不法私道は全国で九万キロに及んでいる。経済成長にともない、これらはますます増加していく傾向にあるとみられる。
 森林消滅の内訳はマット・グロッソ州が四八・一%相当の一万二五八六キロ平米で前年比二〇%の増加、次いでパラー州が二五・七%の六七二四キロ平米で増加傾向にあるも前年比二%の減少となった。ロンドニア州は一五・八%を占め、前年比二三%の増加でマット・グロッソ州を抜いて増加率がトップだった。残りは前年より減少した。アマゾナス州は四・一%で前年比三九%減、トカンチンス州は〇・四%で前年比四四%と、大幅減となった。
 都市別ランキングでは、アルタミラ市(パラー)が八〇・二三%増でトップだが、面積は二九〇・六四ヘクタールで全体の三位、ノーボ・プログレッソ市(パラー)が七〇%増と二位で、面積も三三一一・四ヘクタールで二位、三位はポルト・ベーリョ市(ロンドニア)の五九・五七%増、四位がアリプアナン市(マット・グロッソ)の四九・八二%増だが面積では三四六・五ヘクタールとトップとなった。
 NGO団体によると、二〇万から二五万キロ平米の森林が伐採の矢面に立たされているのに、政府は傍観を決め込み、何ら対応策も示していないと非難している。