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「25年の協力」一冊に=事業団とサンパウロ州森林院

5月21日(土)

 国際協力事業団(JICA)が昨年までの二十五年間、サンパウロ州観光局森林院に対し協力してきた事業の歴史がこのたび、一冊の本にまとめられた。
 「25年の協力 JICA―森林院」と題され、林業研究プロジェクト、森林環境保全、第三国への技術移転の三つの事業を柱にその軌跡を振り返っている。
 監修者の一人、山添源二さんは「JICAとのプロジェクトは既に終わったが、大変な貢献があった。多くの人に関心を寄せてもらえれば」と話す。
 事業団の森林院への協力は、飲料水確保の問題をきっかけに始まったという。一九八二年、クンニャ市に水利研究所を建設。「それ以来二十年以上も継続的にデータを取っている。世界的に見ても珍しいのでは」と誇る。
 ほかにも、アヴァレー市近郊マンドリ市に製材機やトラクター、森林院本部にはコンピュータ機材などを提供。カンポス・ド・ジョルドン市には、傾斜地での機械化伐採の技術を伝えた。一方、訪日研修の機会に恵まれたブラジル人は累計で六十人、日本から指導・講演に来た専門家は百人を超えるという。
 「25年の協力」を現場で見守ってきた山添さん。「大きな事業プロジェクトは予定ないですが、今後も、日本の大学の先生に来てもらうなど人的交流を続けていければ」