ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 大統領、韓国・日本を訪問=15億ドルの契約締結目指す

大統領、韓国・日本を訪問=15億ドルの契約締結目指す

5月24日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十二、二十三日】二十三日から二十八日にかけて韓国と日本を訪問するルーラ大統領一行は、今回の訪問を通じて、エネルギーとインフラ分野を中心に十五億ドルに上る六件の契約を結びたい考えだ。ブラジルからは二百人近くの企業家が随行し、セミナーや会議に出席する。
 ブラジル政府は科学技術、教育の分野で韓国との協力関係を強化する方針で、通商関係では加工食品と情報技術部門での市場参入促進や技術提携の拡大に焦点を当てているとみられる。
 一方、日本政府に対しては前述の二部門に加え、エタノールと牛肉の輸出交渉の前進を期待している。二十六日に予定されている小泉首相との首脳会談では、拒否権なしでの常任理事国入りを米国政府が支持する考えを示したことを受け、国連安保理常任理事国入りについて多くの時間が割かれる見通し。
 日本経済新聞によると、小泉首相は首脳会談でブラジルの石油開発プロジェクトに対し、国際協力銀行(JBIC)や民間銀行を通じて総額一七億ドルに上る融資を行う方針を伝える。そのうち一二億ドルは石油公社ペトロブラスのパイプライン、製油所の近代化に向けられる。銀行団はブラジルの石油開発計画への参入権を今年中頃にも獲得したいという。融資の背景には、石油の中近東諸国への極端な依存(八五%)を下げたい日本政府の意図がある。
 両首脳はこの他、日本に在住するブラジル人の生活支援についても話し合う予定。
 政府関係者の間には、今回の両国への公式訪問が遅きに失したことを反省する声が一部で挙がっている。特に経済関係の側面からは、両国への訪問は政権が発足した二〇〇三年に、中国訪問よりも先に行うべきだったという。小泉首相は昨年九月に、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は同十一月にすでにブラジルを訪問している。