アグリビジネス

5月25日(水)

 穀類が国際相場の低迷と干ばつ被害で不振の中、農機具業界はエタノールへ照準を変えた。エタノールの国際需要急増と砂糖価格上昇で、さとうきび収穫期のトラクターの注文が殺到している。さとうきび栽培用のトラクターは、苗の植付けから農薬散布、収穫の爪まで装備している。これまで農機具業界は七〇%が穀類、三〇%がさとうきびだった。今回それが逆転。
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 ロドリゲス農相は十七日、輸出用肉牛の全頭制追跡調査システムの設定を提案した。狂牛病(BSE)対策で米国が不可能だとした全頭制検査を、ブラジルが先取りする考えだ。リベイロン・プレット市で開催されたアグリショウに出席した十七州の農務長官が具体策について話し合った。詳細は六月、ブリュッセルで行われる畜産衛生会議で発表予定。
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 食糧メジャー・カーギルのコロナ製糖買収交渉が、大詰めに入った。買収価格は一億五千万ドル。同社はサンパウロ州グアリーバ市に本部を置く。話題はメジャーのさとうきび業界への参入で、ブラジル農業戦略への布石が注目されている。カーギルは港湾やロジスチクスで、全伯にネットワークを持っている。
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 サンパウロ州南西部イタベラー地方の生産者は遺伝子組み替え(GMO)大豆種子専用のサイロを建設した。同地方の生産者は、GMO大豆の種子栽培と配給元に職業替えした。GMO技術者の指導のもとに厳しい品質管理を行い、六月から発売する。現在の在庫は、まだ六千ヘクタール分しかないので同地方にしか配給できない。種子栽培に同地方の気候が適しているのだそうだ。