5月28日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】韓国を訪問中のルーラ大統領は二十五日朝、企業代表者ら十四人との朝食会で演説を行い、二〇〇六年の大統領選挙によって現行のマクロ経済政策が変更されることはないと約束した。
大統領は、たとえ労働者党(PT)政権が継続されないとしても、現政権は今後十五年間の見通しを持ってマクロ経済政策を策定していると強調。土台のない経済成長が急に失速するよりも、持続的な成長の実現をめざすと述べた。
「ブラジルが大国に生まれ変わる決断を下したことは誰もが知っている。発展途上国と呼ばれるのにはもう疲れた。先進国になるには時間がかかり、四、五年ではムリなことはわかっている。しかし、そのための土台作りに取り組むと我々は誓った」と、同日行われた昼食会や韓国のブラジル人コミュニティの代表メンバーとの夕食会でも、大統領は同じ方針を再度明らかにした。
盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領とルーラ大統領は首脳会談で、昨年わずか三十億ドルに過ぎなかった両国間の貿易をさらに拡大していくことを確認した。両国は同日、農業部門の貿易拡大、衛生、技術分野での交流を促すための委員会設置で合意に達した。ロドリゲス農務相は今年四月に韓国政府が許可したブラジル産鶏肉の輸出が、年間二億五〇〇〇万ドルに達するとの楽観的観測を示した。
韓国政府が北朝鮮の核実験阻止に向けて動いている中、ブラジル政府は核兵器の拡散に反対、その廃絶を求めるとルーラ大統領は盧大統領に表明。両国の共同声明には盛り込まれなかったが、盧大統領は国連安保理常任理事国の拡大が決まれば、ブラジルの常任理事国入りを支持するとルーラ大統領に伝えた。