5月31日(火)
ルーラ大統領が食指を動かす国連常任理事国入りで、切り札にするハイチ派兵の費用が三億四〇〇〇万レアルになったという。アレンカール国防相兼副大統領から議会へ報告されたこの金額は、当初計画された予算の倍。装備の更新費用も入れると三倍になる。駐留期限は、六カ月の予定が無期限になった。費用の三分の二は国連負担の約束だったが、現在まで二六〇〇万レアルしか拠出されていない。
◎
年金生活者の年金先払いローンが下火となり、ローン申込者争奪戦が大小銀行間で展開されている。特に安定収入がある年金生活者は金の卵を産む鶏として、各銀行がローン勧誘部隊を繰り出した。争奪戦は、サンパウロ市からブラジル全体へと広がりつつある。年金生活者を取り込むために勧誘部隊はアノ手コノ手を編み出し、蟻地獄へ誘うと銀行協会が心配している。
◎
ペルナンブッコ州パウリスタ市で二十六日、十七歳の少女三人を含む七人が、覆面をした五人組の人物に殺害された。同市の貧困地区に住む被害者らは同日未明、家に押し入られ、車で連れ去られた後、手を縛られた状態で遺体となって発見された。警察はギャングまたは麻薬組織の抗争、警官の復讐が犯行の動機とみて捜査している。
◎
政府は高齢者を優遇―? こんな結果をリオのFGV財団が明らかにした。一九九一年に、十歳以下の子供のいる家庭の平均月収は一五八レアルで、六十歳以上の高齢者のそれは二九五レアルだったが、二〇〇三年にはそれぞれ一七〇、四二二レアルとなり、差は六倍に広がった。また高齢者一人当たりの平均月収は、ブラジル人の平均月収二八九レアル(〇三年)をも四六%上回っている。九二年以降、地方年金などの所得向上策が充実したことが理由として挙げられている。