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第2回全ブラジル太鼓選手権=熱演と歓声 感動に包まれ=アチバイア川筋太鼓 ジュニア部門制す

5月31日(火)

 観客の歓声と太鼓の振動が共鳴し、会場を越えて響いた――。ブラジル太鼓協会(渡辺一誠会長)主催の第二回全ブラジル太鼓選手権大会が二十九日、リベルダーデ区のブラジル日本文化協会記念講堂で行われ、リブレ十三団体・ジュニア十二団体の約三百人が練習の成果をバチに込め熱演を披露した。ジュニア部門はアチバイア川筋太鼓が優勝し、日本のコンクールへの出場権を獲得。リブレ部門はロンドリーナ一心太鼓が栄冠を手にした。
 鬼の面を被ったままで演奏したり、エキゾチックな踊りを取り入れたり、と個性的な工夫をする団体もあり、千二百人収容の会場に溢れた観客の熱気に包まれた大会。
 堤正昭副会長は、「昨年より数段腕があがっているし、会場の盛り上がりもすごくなっている、こんなに若者が熱中する大会になって嬉しい」と顔をほころばせた。
 演奏の合間に「どこのチームが優勝でしょうか」と、司会が声を掛けると会場からは笛や風船が鳴らされ、それぞれの団体の名前を叫び、旗を振り互いにエールを送りあう場面も。
 演奏の前後の整列と日本語でのあいさつはほとんどの団体が行い、きびきびとした動きで行儀作法の成果も見せた。出演を待つ団体は控え室で着替えや化粧をしながら、振りつけの確認や指にテーピングを巻く作業をして緊張の面持ち。
 ジュンジアイのリブレチームのリーダー、マルコス・タナカさんは「一番になれなくてもグループとしての力を発揮して、これから先につなげていくことが目標です」と、メンバーと友情を確かめ合った。
 「きえーーーっ」という激しい掛け声で会場の注目を浴びたのがカポン・ボニート源流太鼓の渡辺マユミちゃん(7つ)。「練習をしているうちにだんだんと気合が入っていった」。 チームメンバーの右田梓さんは「発表の前はバチを投げるのがうまくいくか心配していたけど、終わってみるとみんなで作れたことが嬉しい」。感動の涙を流し、仲間と抱き合った。
 審査委員長の木下節夫さんは総評として「レベルの高い大会になった。どのチームもうまくて得点の差はほとんどない」と審査に苦しんだ様子を述べた。
 リブレ優勝の一心太鼓は、パラナ州六チームから選出された。白と水色の衣装に身を包み、全員の腕がそろって上がっていた。激しく速いテンポの中に、優しく細かいリズムの混じる『吹雪』で評価を得た。
 ジュニア部門優勝のアチバイア・川筋清流太鼓は七歳から十五歳までのメンバー十一人。カラフルな衣装で登場し、挨拶や並び方も整っていた。小柄な体格からは想像もつかない力強さで『楽友』を演奏、中央のリーダー青山さんも飛び跳ねるアクションを見せながら迫力のある音で観客を魅了。来年三月十九日に長野県松本市で開催される第八回日本太鼓ジュニアコンクールへの出場を決めた。
 大会は原マサオさん、ルシア・イカワさんらの司会で進行され、演奏の前には各団体出身地の見所や生産物が紹介された。午前はリブレ部門、午後はジュニア部門、最後に昨年優勝のアルモニア響楽座が特別出演した。
 結果は次の通り。リブレ部門優勝=ロンドリーナ・一心太鼓/準優勝=スザーノ・福博青年太鼓/三位=リベロン・プレット・山下太鼓。ジュニア部門優勝=アチバイア・川筋清流太鼓/準優勝=イビウナ・龍舞太鼓/三位=カポン・ボニート・源流太鼓。