何かに似ている。そう、往年のカーニバルの乱痴気騒ぎ、あれだ。
過去最高の約二百万人を動員したサンパウロのゲイ祭り(二十九日)。パウリスタ通り~レプブリカ広場までを車両通行止めにして夜中まで続いた行列、そのフィナーレは〃教会の前〃だった。
非日常性を思い切り楽しむ大衆パワーを肌で実感した。街中から離れた〃コンクリート箱〃のような会場で行なわれる昨今のカーニバルが失って久しい、野性的な「祝祭性」とも言えるものだ。
くだんの教会前。女性同士がキスを交わしている。手をつなぐ男性同性愛者カップルの下半身はブリーフ一枚。シリコン入りのオッパイをさらけ出したオカマさんが小走りでやってくる――。
リオのカーニバルに対抗できる、いや、それ以上の刺激があった。七色を帯びた倒錯的な光景が頭から離れない。(大)
05/5/31