6月1日(水)
一人一人の小さな働きが集まれば、大きな愛の枝になる──。サンパウロ友の会(藤田のり子総リーダー)は今月十二日午前十時から午後三時まで、サンパウロ市ピニェイロス区ヴァレーリオ・デ・カルヴァーリョ通り63番のピラチニンガ文化体育協会で友愛セールを開く。今年が五十回目。藤田さんは、友の会の〃精神〃を非日系人にも伝えたい、と願う。そのため、一世以外の夫を持つ非日系人妻の入会勧誘を積極的に推し進める意向だ。
家庭で不用になった古着、石鹸などを集めて廉価に販売し、有効に使用していくのが狙い。月刊雑誌『婦人之友』の創刊者、故羽仁もと子さんの創意に基づく。出品点数は約四千点で、純益約二千ドル。利益の中から、同文化体育協会、サンパウロ日伯援護協会、憩の園、希望の家福祉協会など九団体施設に寄付する。
友の会は同誌の愛読者たちにより、一九五四年九月につくられた。藤田さんは二世初の総リーダー、七十八歳。「二世、三世、四世そして、日系人男性を夫に持つ非日系人妻の入会を増やしたい」と意気込む。
羽仁さんの「友への手紙」を毎回、朗読するのが習慣だ。難解な文体が使われていることもあり、二世以下の世代に理解が困難なこともある。副リーダーの松酒喜美子「せっかく興味を持って入会した人が、会から離れてしまいかねない」と気を揉む。
藤田さんは先ごろ訪日。(1)「友への手紙」にルビを振る(2)英語版をつくる──ことを要望。前向きに返事を受けたそうだ。「場所によって、日本語学習者の母親が日本語を学びながら、雑誌を読むような活動も始まっています」と話している。