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農業生産者が全国デモ=負債の返済繰り延べ訴え

6月2日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙一日】農業部門の今年第1・四半期の成長率が前期比二・六%と好調の中、農業生産者らは三十一日、全国各地で、前回の収穫で発生した総額二〇〇億レアルに上る負債と、二〇〇五/〇六年収穫分の植付け保証の再交渉を要求して、抗議デモに入った。
 抗議デモはゴイアス、マット・グロッソ、マット・グロッソ・ド・スル、パラナ、サンパウロ、リオ・グランデ・ド・スル、トカンチンス、ピアウイの各州で繰り広げられた。リオ・グランデ・ド・スル州エステイオ市ではトラクター三百六十三台、トラック二百四十台、バス百十二台がデモに参加、車列が二十キロメートルに及んだデモ隊は、のろのろと州都ポルトアレグレに向かった。
 サンパウロ州オウリーニョ市では農業生産者約五百人がトラクター百八十台や農業機器で道路を封鎖し、金融機関九カ所の入り口も立ちふさいだ。同州ヴォトゥポランガ市では、道路を封鎖し、綿の袋を路上で燃やしたデモ隊と軍警が衝突、一人が負傷した。
 ピアウイ州では大豆生産者が道路を封鎖。また同州ボン・ジェジュス市では十トンに上る米をブラジル銀行の前でばら撒き、多くの人がそれを拾って持ち帰った。「こんなに安いんじゃ、売るよりあげたほうがマシ。我々の置かれた状況を当局者にわかってもらいたい」とある生産者は語った。
 全国農業連合(CNA)のサウヴォ会長は、農業問題は地方によって様々で、リオ・グランデ・ド・スル州は干ばつとメルコスル加盟国からの輸入品による所得の減少、マット・グロッソ州はドルの二五%下落が問題だと述べた。しかし、牛乳、コーヒー、サトウキビは生産が好調だという。同会長は現在の収穫で得られる収入は負債の返済には十分でないとし、返済の来年への繰り延べを主張した。