ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | CPI設置は〃金〃で阻止=政府内に楽観ムード広がる

CPI設置は〃金〃で阻止=政府内に楽観ムード広がる

6月4日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙三日】ルーラ大統領を始めとする政府与党幹部は二日朝、郵便局汚職議会調査委員会(CPI)の設置阻止について話し合い、会合終了後にパロッシ財務相は、CPI設置阻止に協力する下院議員に対して、一人当たり一五〇万レアルの修正予算を近日中にも執行することを約束した。国会議員は、選挙対策費などの議員経費として年間三五〇万レアルを政府から受け取る権利があるが、現政権は一度も全額を交付したことがなかった。
 会合に出席したブラジル社会党(PSB)リーダーのカーザグランデ下議は「予算の執行は政府に不満を抱える議員を満足させる手立てとなる」と述べた。会合では下院本会議での設置表決日程についても話し合われ、政府はCPIを葬り去る日を六月十五日に予定した。
 一週間前、CPI設置要請書の署名撤回に失敗した政府は、今回の設置阻止作戦で下院議員の過半数(二百五十七人)を超える、二百八十人から三百人の下議の協力を取り付けられると見積もっている。与党議員と閣僚の協力体制で臨む今回の作戦は成功を収めると大統領は自信を深めており、会合後、大統領府には楽観ムードが漂い出した。
 一方、野党側は与党が憲法法務委員会(CCJ)で両院議員からなるCPIの設置阻止に成功した場合に備え、上院のみでの同CPI設置を計画、それに必要な二十七票のうち、十七票を二日時点ですでに確保した。また自由戦線党(PFL)とブラジル社会民主党(PSDB)は、ブラジル再保険院(IRB)の汚職などを追及するための上院CPIの設置に向けた動きを強めている。