6月8日(水)
さきの日本政府春の叙勲で受章した菅原和司さん(71)は、南米産業開発青年隊の隊員、第三期生。受章理由は、リオ州の日系団体での役員活動だった。菅原さんのリオとの縁は、一九五九年から石川島造船所建設に携わったこと。当時、漁民の小屋が造船所建設敷地のなかに残っていたという。それを修理して「宿」とした。蚊が多く、蚊帳(かや)の外の無数の羽音で眠れなかった、と伝達式で思い出話(公式ではなく)。こうした苦労は、もちろん勲章受章理由の〃功績〃にはなっていない。
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沖縄のミュージカル「海から豚がやってきた」(主催・うるま市など)が二十六日、北米ロサンゼルスで公演されると琉球新報が報じた。ミュージカルは沖縄戦で壊滅的被害を受けた古里の同胞を救おうと、ハワイの沖縄移民が軍用船で豚五百五十頭を送った実話に基づいている。いつの日か、ぜひブラジルでも公演してほしいものだ。終戦直後、ブラジルからも祖国へ大量のララ救援物資を贈っている。何かの題材にならないだろうか。
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ある日系人男性は数年前、日本で食料雑貨屋、ビデオ・レンタル屋、ラテン系店舗など約五百店を歩いて、住所や業種などをデーター・ベース化した。コンピューターを使って、〇三年に経営コンサルタント業をスタート。並行して、ブラジルでも同様な調査を実施した。新たに店舗を開く時の立地条件や、ライバル店の様子などが分かる。これらの情報に、とびつく人はいないらしい。やはり、日伯間の距離は遠い?