石原慎太郎・東京都知事は凛々しく政治的な勇気に溢れている。「太陽の季節」を発表し文壇に入ったのが学生時代の二十四歳。あの小説のかなり露骨な文学表現は芥川賞の選考委員会でも論争になったようだが、堂々の受賞であり文学界に旋風を巻き起こし人気作家になる。その後、中央政界入りして活躍し都知事になったのだが、近来にない名知事として評価したい▼防災の必要性を説いて自衛隊の協力を得ての訓練には戦車も出動させ一部の新聞から批判もされる。だが、震災やテロなどの場合には戦車もヘリコプターもいる。不法に滞在する外国人らの犯罪にも言及し批判もするし、領土問題にも厳しく外務省を非難もする。沖縄県石垣島市に所属する尖閣諸島への関心も深い。あの島は日本の領土が石原知事の主張であり民主党の西村真悟衆議が上陸する際には支援もしている。そんな都知事なので日本の最南端にある沖の鳥島への取り組み方も凄いに尽きる▼島とは云っても「岩」が突き出ているだけであり、満潮になると海に没し干潮には浮上するという小さな岩礁である。そんなこともあって政府は数百億円を投じて岩礁を補強してきたし今も多額の費用を投じている。石原知事は発電や漁業の専門家らと一緒に沖の鳥島を訪れて日の丸を掲げ「日本の領土」を主張するが、この行動力がいい▼沖の鳥島は小さいけれども、あの島の持つ意味はとても大きい。7日付けのニッケイ新聞にも掲載されていたが、石原・東京都知事が説く領土論にはもっと耳を傾ける必要があるのではないか。 (遯)
05/6/9