6月10日(金)
日伯音楽交流協会(大村吉信会長)は、十五日に十三枚目のCD、「大村吉信作曲集第十三集」を発表する。今までに制作した曲は童謡三十二曲、歌謡曲三十一曲、移民の歌三十二曲の計九十五曲。十二枚のCDにそれぞれ収録されている。
「歌手はプロではないけど、心を込めて歌う。移民の歌を聞き、思い出して泣く人もいる」と大村博子さんは話す。大村会長は「移民の歌は初期の移住者をはじめ、戦前戦後を通して作詞、作曲、編曲、全て移民の手で制作された。移住者の悲哀や闘魂などが綴られている。まさに移民の心の底から生まれた歌」と話し、「三世、四世と育ち行く日系人の方々には自信と誇りを持って、祖父母の歩んだ道を語れるように歌い続けて欲しい」との願いを語った。
現在、移民百周年記念祭に向けて、さらに移民の歌を制作中。中でもコロニア歌壇を栄えさせた、故・古沢典穂氏作詞の「ブラジル日本移民百周年音頭」は古沢氏の娘が、踊りの振り付けを担当。今から練習するなど力を入れている。
大村会長は、「日本から芸能人や慰問団を迎えても、その場限りの娯楽で、移民にとって何の弔いにもならないと思う。移民が残した百年の歴史を伝えていかなければならない」と考えを述べた。制作した内の二十七曲と童謡十曲を選曲し、二〇〇八年同祭の舞台上で発表する予定だ。