6月10日(金)
【東京支局】日系社会青年ボランティアが派遣前訓練を終え、出発を控えた六月三日、JICA横浜で終了式を行った。今年一月に来伯した二十回生に続き、今月末には二十一回生が着任するのは異例。加えて、初の全員女性という意味でも珍しい派遣となる。
JICAは独立行政法人になって以来、業務の効率化を図っており、青年海外協力隊など四つあるボランティア制度の一元化を進めている。日系社会シニアボランティア制度が従来から六~七月派遣だったことがあり、事務効率化のために青年ボランティアも同時期に移行した。そのため、過渡期的に今年だけ異例の二回派遣となった。
サンパウロ支所の石橋隆介次長によれば、今後は全て六月派遣となる。今回だけ人数が二十人と従来の半数だが、来年からは通常の四十人規模に戻るという。
今回派遣されるのはブラジル二十人、アルゼンチン、パラグアイそれぞれ四人の合計二十八人。横浜で行われた終了式では、ボランティアを代表して入山義和さんも「派遣までの間も訓練で学んだことを身につける努力をし、派遣後も奉仕の精神で現地に貢献したい」と、決意を表明。
また、青年海外協力隊事務局の大塚正明事務局長が世阿弥の「離見の見」という言葉を引用し、「目の前のことにとらわれることなく、自分自身を客観視して活動することが大切」と語り、ボランティアとしての心構えを説いていた。
一行は六月二十九日にそれぞれの任地国へ向けて出発する予定。なおブラジルへのシニアボランティア十人も同時期に出発する。
ブラジルに派遣されるボランティアは以下の通り(カッコ内は配属機関)▽鍛冶田芳衣(バウル日伯文化協会)▽後田聡子(レシーフェ日本文化協会)▽風間梨沙(トメアス文化農業振興協会)▽宮本裕子(アプカラナ文化体育協会)▽森谷裕実子(ヴァルゼン・グランデ文化体育協会)▽立見牧子(クリチーバ日伯文化援護協会)▽今井さや香(コロニアピニャール文化体育協会)▽池原千春(タウバテ日伯文化協会)▽小暮由香(日伯文化連盟)▽新野由貴(ノーバ・エスペランサ文化体育協会)▽三村麻衣(ペレイラ・バレット文化体育協会)▽亀萌美(バストス日系文化体育協会)▽栗山美恵子(パラナグア日伯文化体育協会)▽加藤志保(ピエダーデ文化体育協会)▽加藤みえ(ボツカツ日本文化協会)▽松原美香(ポンタグロッサ日伯文化協会)▽青木由香(マウア文化体育協会)▽川上貴美恵(マリリア日系文化体育協会)▽山崎由加里(サンパウロ日伯援護協会)▽猪木彩香(サンパウロ日伯援護協会)