衆院議長の河野洋平さんはどうもおかしい。自由民主党の総裁にもなったので無能ではないけれども、言語と行動には違和感を禁じ得ない。自民党の総裁で首相になれなかった初めての人だが、脱党して自由クラブを結成したりもする。宮沢内閣の官房長官だったときには「従軍慰安婦の強制連行」を認める発言をしてもいる▼ところが、石原信雄・元官房副長官が調べたところ、公式文書に「強制連行を裏付ける資料がない」ことが判明している。だが、官房長官の語録は重い。このために「強制連行」が独り歩きする。そして―衆院議院の議長に祭り上げられるのだが、ここでも小泉首相の靖国神社参拝に文句を付ける。宮沢元首相らとの懇談を踏まえての意見だが、これは全くの異例と云っていい▼日本の新聞によれば、中曽根康弘元首相は「立法府の長が行政府の長の経験者を呼び付け意見を聞くことはありえない」として出席を断ったと報じている。これは大勲位の威光ではないが、中曽根宰相の見識の高さを示すものと見ていい。云うまでもないが、中国の新聞らは、この記事を大きく取り上げているらしいが、どうして河野議長がこうまで中国寄りなのかは理解に苦しむ▼こんな訳の分からぬ議論のためか、靖国神社にかわる無宗教の戦没者施設を造るべきの意見が再び台頭しつつあるのも真に情けない。中国や韓国は首相の参拝をああだこうだの異見を申し立てるが、日本には日本流の慰霊の仕方がある。首相の参拝は当然のことであり、天皇陛下の靖国参拝も是非とも実現し戦没者の霊を慰めて欲しい。 (遯)
05/6/11