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サンパウロ市はメソポタミア=周辺都市との文化格差大きく

6月14日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】チグリス川とユーフラテス川に挟まれた地域で花開いたメソポタミア文明のように、サンパウロ市もチエテ川とピニェイロス川の間の二十区に市民の文化活動が集中していることが、ブラジル企画分析センター(Cebrap)の都市研究センターの調査で明らかにされた。
 同二十区の十五歳以上の人口は約百万人で、それを除く大サンパウロ市圏の人口は千二百万人。社会クラスはA/Bが六五%、Cが二五・八%、D/Eが九・二%、後者ではそれぞれ、二七・七%、四一・一%、三一・二%となっている。大卒者は同二十区では五四・四%に達するが、それ以外の大サンパウロ市圏では一三・二%に過ぎない。
 文化活動の違いを比較すると、コンピューターの日常的使用は同二十区で五九・六%(大サンパウロ市圏で一六・三%)、インターネット利用者は五九・六%(二七・三%)、新聞を毎日読む人は四二・六%(一三・八%)、月に一度以上映画を見に行く人は三〇・四%(八・四%)、過去一年間に美術館に行ったことがある人は四二%(一一・七%)。音楽の好みについても同二十区ではMPB、ロック、ジャズなどだが、大サンパウロ市圏ではセルタネージョ、サンバ、宗教音楽と違いが浮き彫りになった。
 大サンパウロ市圏の北端にあるフランシスコ・モラット市のブレサネ元市長は、「月曜から土曜まで働く低所得層の人々は、疲れをいやす必要があり、週末に出かけることが少ない」と述べた。テレビはD/Eクラスの人の八七%に普及し、また全体の九三・五%が文化に接する手段としてテレビを挙げており、文化活動におけるテレビの影響の大きさが伺える。