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汚職の張本人はPT首脳部=PTB党首が証言=「ジルセウ官房長官は失せろ」=証拠の提示は行わず

6月16日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】ジェフェルソン・ブラジル労働党(PTB)党首は十五日、下院倫理委員会で労働者党(PT)首脳部が汚職犯罪を指揮した張本人であると爆弾証言を行った。ジルセウ官房長官はルーラ大統領が、被告席に引きずり出される前に、どこかへ消えて失せろと警告した。政権獲得のためにPTが仕組んだ舞台裏の全貌を暴露するという。国会は超激震で震撼した。PT首脳部と官房長官へPTB党首が突き付けた挑戦状は、マフィアのボス対決の様相を呈した。
 PT首脳部は、汚職マフィアの首魁だというのだ。ジルセウ官房長官が行政府でウロウロしていると、何も知らない大統領は道連れにされると、ジェフェルソンPTB党首は下院倫理委員会で脅迫した。しかし、同党首が約束した証拠の提示はなかった。
 官房長官を頂点とする汚職マフィアは、裏金供与やウラ帳簿などを設け、連立与党議員に選挙資金などの面倒を見ていた。政治献金は公社と下請け契約を結んだ企業から上納金として徴収し、PCファリア方式が取り入れられていた。
 裏金を供与されたとの告発を受けた議員と六閣僚の中には、パロッシ財務相の名前もある。同党首が二〇〇五年始め、大統領に警告してから閣僚への裏金供与は取りやめになった。注目されたのは裏金の事実よりも、告発の事実である。政府機構の中に張られた汚職システムの存在と集金制度が問題だ。
 汚職取引の立ち会いはジェノイーノPT党首が行い、献金はソアレス財務担当へ渡される。金額の少ない取引は、PTBへお裾分けとして回される。PTB党首は再々、官房長官から献金の残金取り立てを命じられたという。
 同PTB党首は一九七九年から八五年にかけて、テレビ番組「ポーヴォ・ナ・TV」で庶民の弁護士として出演した。それと同じジェスチュアで、官房長官へ通告した。「一刻も早く消えろ。そうしないと無罪の人間が臭いメシを食わされる」と。
 下院倫理委員会は、どちらが告発し、告発される者なのか分からなかった。連立与党への裏金は自由党(PL)がコスタ党首、進歩党(PP)はコレイア党首が受け取り、党議員へ配布したと証言した。
 倫理委員会の質問が終わると、議員の一般質問に移った。同党首は「私は下議であることを恥じるが、あなた方の共犯者ではないので、質問への答弁は勘弁願いたい。議員は自分が当選するための資金について出所を知っている。私は、あなた方の傷口を開くつもりはない」と逃げた。
 下院倫理委員会の傍聴席に居並ぶ検事総長や連邦警察幹部、会計検査院の面々は、爆弾証言に驚く様子も捜査に動く気配も見せなかった。政府ぐるみの汚職告発に食傷気味らしい。郵便局活動の六〇%に当たる大口契約は、ペレイラPT総務の支配下にある。
 これだけの不正行為が、これまで放置されていたことが不思議だと同党首はいう。郵便局の水増し契約は、本来の三倍で成約される。コロール元大統領の運転手が不正資金の運搬係を引き受けていたが、現在は政府広報を引き受けるヴァレリオ氏が運搬係だ。