6月17日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十六日】郵便局汚職に関する議会調査委員会(CPI)の設置で政府与党は十五日、デウシージオ・アマラル上議(労働者党=PT)を委員長に据えることで勝利した。政府に有利な審議を行うことで、CPIは与党の指揮下に置かれる見通しとなった。同CPIの上程者には、連立与党のオズマール・セラグリオ下議(ブラジル民主運動党=PMDB)が指名された。証人喚問には、郵便局のマリーニョ元役員やジルセウ官房長官の名前が挙がっている。
CPI委員長の選出表決は無記名で行われ、十七票対十五票と僅差で与党に凱歌が挙がった。CPI委員は全部で三十二人、与党と連立与党を合わせると十九人いる。予想を上回った接戦は、ジェフェルソンPTB党首の告発インパクトによるものと思われる。
委員長に選出されたデウシージオ上議は、特権により、内定通りセラグリオ下議を上程者へ指名した。CPIは引き続き、郵便局のマウリシオ・マリーニョ元役員を証人喚問することを決定した。PTB基金の徴収を録画したテープの信ぴょう性と基金の目的を確認するため、同人の喚問が二十一日に行われる。
同CPIには、十五日までに八十四通の審理申請書が提出された。申請書の受理は、表決に付され決定する。その中には、官房長官の証人喚問やソアレスPT財務担当の銀行口座の開示要請、電話記録の開示、資産明細の提示なども含まれる。
委員長と上程者は十六日午前、CPIの審理方針と日程について話し合う。元役員の喚問に続いて、汚職告発に名を連ねた全役員と全関係職員が喚問される模様。PTB党首も喚問する。上程者は、郵便局汚職をPTB内の出来事として片付け、飛び火しないように手を打つ考えらしい。
CPIは、連立与党議員が三万レアルの裏金で買収されたとする告発を解明する場所ではないと、上程者はいう。CPIは告発に妥当性があるか、裏金の流れを立件できるかを解明するのが目的だとしている。しかし、ルーラ大統領は二〇〇六年の大統領再選を目指して、国民が納得するよう同CPIによる汚職の徹底解明を求めた。
野党のブラジル社会民主党(PSDB)と自由前線党(PFL)は十五日、与党の隠密行を探索する陰の上程者を指名することで合意した。野党の専門家によるメンバーで平行審理を行い、入手した情報を分析する。問題は六カ月に及ぶCPIで、本業も祝祭日も返上し、日夜つきっきりで与党の動きを監視することになるという。
国民も注視するCPIなので、野党は遂時審理に出席し、与党の八百長審理を防止すると声明を発表した。各段階毎に世論の反応を見ながら、CPI審理を進行させるとした。
CPI委員長に任命されたアマラル上議は、かつてPSDBに在籍し、イタマル政権の鉱動相を努めた。〇二年からPTへ寝返り、〇六年にはマット・グロッソ・ド・スル州知事選へ立候補する夢がある。CPI委員長への推薦では、八百長委員長のそしりを恐れ辞退したが、大統領からCPIへの白紙委任状を渡され、了承した。