6月21日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十九日】マット・グロッソ州都クイアバー市で、次のうわさが流れている。森林伐採許可を却下され自然環境院(Ibama)から頭をうなだれて出てきた人に警備員がこう語りかけるという。「悲しまなくていい。問題を解決できる人間を、私は知っているから」――。
アマゾン地方の森林伐採の四八%を占める同州で二〇〇三年から〇四年にかけて流れたこのうわさは、環境当局内に汚職が存在していることを反映したものだ。今月初めには連邦警察が同院内に巣食い、州内の木材取引を支配していた汚職組織を摘発、また、最近廃止となった州環境基金(Fema)が違法に環境開発許可を出し、深刻な森林破壊を引き起こしていたことも裏付けている。
Femaはモアシール・ピレス州環境局長官の管轄下にあり、長官は、二〇〇二年知事選の時にマジ知事を支援した、自由戦線党(PFL)のジョルジ・ピレス副党首の弟で、同副党首はマット・グロッソ州生産者協会の会長も兼任している。
同州では今年四月、潅木林と密林の境界地域にある森林の伐採許可面積を連邦令が定めた二〇%から五〇%に引き上げる州条例案が議会に提出された。憲法上は、連邦令が条例に優先されるが、同州の農業生産者らは、同連邦令は〇一年に発令された暫定令で、連邦議会で承認されることはないと見越している。同条例が承認されると、マジ知事も一部所有する大豆栽培地の面積が一万ヘクタールから二万五千ヘクタールまで増加するという。
Femaの監督官の証言によると、〇三年と〇四年に監督官らは、「上部からの命令」に従い、違法伐採の摘発をやめたという。またピレス長官は環境調査会社との契約も破棄していた。