6月22日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】ジェフェルソン・ブラジル労働党(PTB)党首は二十日、公社内に組織された汚職システムは、コーロル大統領を弾劾に導いたPCファリア・システムよりも悪質で大規模であるとテレビ番組で公言した。同党首によれば、裏金供与はジルセウ前官房長官の陣頭指揮により行われ、采配を振るったのはペレイラ労働者党(PT)事務局長という。裏金供与を全国化したのは、ロドリゲス下議(自由党=PL)だと告発した。
TVクルトゥーラの番組ローダ・ヴィーヴァに出演した同党首が、PTの汚職システムはコーロル前政権の汚職システムよりも悪質で大規模だとした。また同党首は、PTBがPTと袂を分かったとする新聞報道を否定。PTBが決別したのは、ジルセウ前官房長官であって、PTBは連立与党に変わりないという。PTBは、前官房長官の葬儀を予定中だとした。
さらに、ジルセウ氏が事実上の大統領で、ジェノイーノPT党首が副大統領だと皮肉った。前官房長官は辞任の挨拶で「我が政権」といったが、ヘソが茶を沸かすと揶揄した。前官房長官は情報局(ABIN)を私的に利用したと同党首は訴えた。
政党が公社の管理職に狂奔するのは、下請けの民間企業から政治献金をゆするためだという。民間企業が公社と下請け契約を結ぶためには、仲人が必要である。党という仲人なくして成約はない。PTに限ってそんなことはないと思っていたが、裏切られたと同党首はいう。
裏金取引は政治の売春行為であるが、政党とは選挙資金を捻出する窓口に過ぎない。議会に設けられた政党は、春を売る売春宿。PTBは二〇〇四年の地方選で四百万レアルの選挙資金をPTから供与された。資金の動きとともに、公社の管理職も屋台のバナナのように取引される。
連邦議会で行われた裏金取引のルーツは、リオデジャネイロ州議会に始まる。同州議会から連邦議会へ裏金システムを導入したのは、牧師のロドリゲス下議だとPTB党首は告発した。同下議は所属党のPLに裏金を配り始めたという。
裏金の導入者にされたロドリゲス下議は、告発を宗教的偏見とした。PTBは、PLがPTB下議三人を移籍させた羊泥棒だとし、恨みを持っているようだ。同下議は〇四年まで、神の王国ユニバーサル教会の指導者だった。現在は、同教会から牧師職を解かれている。ジェフェルソン下議は、かつて同教会に出入りし、教会が告白を漏洩させたという噂もある。
裏金の火元となったPLのコスタ党首は、PTB議員のPLへの移籍は、郵便局汚職で連座させられないために逃避したのだと述べた。PTB党首は郵便局汚職の責任を取らされ、議員権剥奪の手続きが近く行われる。PTB党首は汚職首謀者を芋づる式に道連れにすると宣言したが、PL党首は同じ穴に落ち込むことはないと嘲笑した。
コスタPL党首は、前妻から、夫婦だった頃の違法取引関与で告発されている。前妻が慰謝料として九〇万レアルを要求したことで、同党首は恐喝罪で前妻を告訴した。前妻は夫の政治活動について何も知らないはず、誰かにそそのかされたとPL党首はみている。