ブラジル国内ニュース(アーカイブ)

汚職の一掃は可能か?=歴史に深く根ざす=自覚と良心の回復が第一歩=立ち上がり始めた庶民

6月22日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙五月二十二日】ブラジルの汚職一掃は可能か。歴史学者のジョゼ・M・カルヴァーリョ氏が、汚職の裏には不罰特権という母親がいるという。一部の人が違法手段で豊かになると、全員が違法であると合法であるとにかかわらず豊かさを求める。ルイ・バルボーザは、みんなが豊かになるかモラルを学ぶか、どっちかにしようと市民に訴えた。
 【汚職がもたらすものは】汚職が年々、司法府や立法府などの国家権力を巻き込んで政府機構の中に広く根を張り、悪質化している。ロンドニア州で最近、庶民が州知事の不正に対し立ち上がったことは、衝撃と教訓をもたらした。
 【なぜ衝撃と教訓と言えるか】これまで不正への抗議といえば、南東部と南部の行事だった。北部や北東部はこれまで、閥族社会で不正が大手を振って罷り通った。今まで長いものに巻かれていた庶民が、目覚めたのだ。ロンドニア州の事件は、全国レベルの運動へと発展する初潮だ。
 【汚職はブラジルの風土病か】古い時代は、汚職も盗みも同一視した。しかし、盗みは個人的悪癖だが、汚職は現代人気質の一部となりつつある。
 【信号無視や行列の割り込みは、汚職と同列の行為といえるか】誰も見ていない、誰にも迷惑をかけないと思うようになると、個人のモラルは消失する。汚職の温床はこのように形成されてゆく。
 古代の格言に正直であるだけでは不充分、正直らしく振舞えというのがある。中世になると個人のモラルと公共のモラルは、区別された。モンテスキューが、理想の公人は本人の人格がつくるといった。しかし現代はそういかない。
 個人としては人格者でなくても、社会的義務を守っている人はいる。反対に人格者でも、金銭に杜撰な人もいる。汚職を育む社会的、歴史的原因は昔も今も変わらない。
 【例えば、どんな場合か】これは、ポルトガルの伝統だ。国は全企業の所有者であり、個人は国から許可を貰って営業した。使用人の給料は労働の代価ではなく、国から国家資産の配分として貰ったのだ。国家と個人に関する見解の相違が、ここから始まった。
 ロンドニア州議員は、州という国家から国家資産の配分を請求したのだ。資産配分の請求は、汚職ではなく当然の権利と州議は思っている。州議は汚職の意識も良心の呵責もない。ブラジルで汚職が後を絶たない原因が、ここにある。
 【時代の変化と共に汚職の観念も変わったか】いままで汚職という観念がなかったので、汚職は犯罪という観念もなかった。刑法は貧乏人のためにあり、民法は金持ちのためにあると思っていた。その間仕切りが、取り払われる変化はあった。だが裁判所の頭は全く変わっていない。
 【変化はいつから起こったか】まずコロル大統領の弾劾が、大きな変化だった。FHC時代も小さな変化はあった。PT政権では、後退とは言わないが眠っていると言える。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button