6月23日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十二日】与党労働者党(PT)が息のかかった議員らに、メンサロンと呼ばれる裏金を月々支払っていたことが明らかとなり、連邦警察は金の出所と経理の実体の追求に乗り出している。こうした中、資金調達の中心人物と目されているミナス・ジェライス州の実業家のもとで秘書を務めた女性が、実業家とPTとのゆ着を暴露するとともに、資金調達を裏づける証言を行ったことで注目されている。
この女性、カリーナさんは二〇〇三年四月から二〇〇四年まで実業家の秘書を務めた。以前イスト・エ誌に告白記事が掲載されたことで先週、連警の取調べを受けたが、その時には全面的に否定した。しかし意を翻し、二十一日のグローボ局のニュース番組ジョルナル・ナショナルでインタビューに応じ、全貌を語った。
それによると実業家のマルコス・ヴァレーリオ氏はPT首脳部、とくにデルービオ財務担当とペレイラ事務局長と、ほぼ毎日電話連絡をしていた。最近辞任したジルセウ元官房長官ともしばしば話していたという。PTとの会合がある度に経理課に行き、カバンに金を詰めて出かけていた。また国会議員もよく出入りし、その都度五万レアルから十五万レアルの現金を渡していた。
元秘書は、告白記事の直後、実業家により名誉毀損で告訴され、またベロ・オリゾンテ市内で、オートバイに乗った男から「これ以上しゃべると十一歳の娘を誘拐して殺す」と脅かされたため、パニック状態に陥って、そのため連警での取調べでは嘘をついたと告白している。
実業家のヴァレーリオ氏はベロ・オリゾンテ市で二つの宣伝広告会社を経営しているが、経歴はあまり知られていない。現在のミナス・ジェライス州クレシオ副知事が共同経営者だったことから、そのコネで政財界に顔が利くようになった。会社は同州の労働局、スポーツ局、郵便局、ブラジル銀行などの官庁を顧客に、州内有数の企業にのし上がった。
議会調査委員会(CPI)では証言を重視し、元秘書を喚問する動きを見せている。PT側では証拠がなく信ぴょう性に欠けるとの見方をしている。