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今後2年のインフレ目標設定=4・5%、開発優先派敗れる

6月23日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十二日】通貨政策審議会(CMN)は二十二日に、二〇〇六年と〇七年のインフレ目標を四・五%、許容範囲を上下二ポイントに設定する見通しだ。二年間目標を同じにすることで、中銀は目標達成に二十四カ月の時間を得たことになる。
 来年の目標を四・五%に設定することは、メルカダンテ上議を筆頭とする政府の開発優先派の敗北を意味する。同上議は来年の目標は五・五%と主張していたが、最近、中銀の今年の目標である五・一%に設定することを受け入れるようになっていた。
 二年先の目標も設定されたことで、中銀はより緩やかな金利政策を実施できるとの見方もある。今年のインフレ率は六%から六・五%と予想され、〇六年に一ポイント、〇七年にさらにもう一ポイント低下できれば、目標を達成できることになる。順調に行けば、〇八年以降は目標を四%以下に設定できると政府は踏んでいる。
 パロッシ財務相をはじめ、政府の財政・金融担当チームは政治的理由で目標を変更することに強い難色を示した。〇六年の目標を引き上げれば、大統領選対策のためインフレ退治の手を緩めた印象を金融市場に与えるからで、政府としてはそうした印象は拭いたかった。
 五月以降のインフレの低下傾向は六月に入っても変わらず、二十二日に発表された六月の総合市場物価指数(IGP―M)はマイナス〇・三八%と、〇三年六月以来二年ぶりに低い水準となった。ドル安が卸価格の低下につながっているためで、この傾向が続けば〇六年の目標も達成可能と市場関係者はみている。

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