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郵便局CPI=グシケン長官に矛先=元業務委託部長が証言=広報宣伝めぐり不正契約=14部署の捜査必要性示唆

6月24日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】徹夜で十二時間に及んだ郵便局汚職CPI(議会調査委員会)の証人喚問で、マウリーシオ・マリーニョ元業務委託部長は二十二日、ルイス・グシケン広報長官にも矛先を向ける証言を行った。同元部長は、郵便局広報部の業務委託と宣伝活動に疑惑の契約があることを認めた。十四部署の業務契約で捜査が必要であると、捜査内容も指示した。グシケン長官の指揮する大統領府広報局は、証言は無責任なものだとする声明を発表した。
 郵便局汚職で話題の人物となったマリーニョ元部長は、CPI喚問で、疑惑関与のある二人の部長を推薦した労働者党(PT)の要人、グシケン広報局長官とペレイラPT事務局長二人の名を挙げ、広報宣伝をめぐる委託契約の不正解明を訴えた。
 同元部長は、CPIで捜査手順まで提言した。郵便局業務の流れの中で広報委託契約も含め、十四部署のチェックまで指示した。郵便局は、報道の通りプリンター五百台を購入した。不正疑惑の発注者は、PT事務局長が推薦したメデイロス技術部長だった。
 同元部長は証拠物件を一切提示していない。疑惑の委託契約の大部分は、業務部長と技術部長によって成約されたと同元部長は証言した。元部長の証言には、ジェフェルソン・ブラジル労働党(PTB)党首の名は全く出なかった。
 不正取引が行われた疑惑の部署として次を示唆した。広告宣伝企業との委託契約の管理課、業務部長が成約した郵便物の航空便や船便の郵送契約の管理課、ブラデスコ銀行との混合郵便物や郵便貯金に関する業務契約の管理課、議員や政党への便宜を図る業務フランチャイズ契約の管理課など、全てグシケン長官の管轄下にある。
 ペレイラPT事務局長の管轄下では、次の業務が疑惑の部署だと提示された。電気料金や水道料金読み取りを一社独占で行う業務の契約課、PT関連企業による郵便局関係の独占工事契約課、業務下請け契約課、保険契約課など。
 さらに資材や機器の購入課、金庫室の設置課、ITソフトやハードの購入契約課、業務オートメ化セットの購入課、バイクや車両購入課、本部事務局の機器購入課も不正取引の穴場であると元部長は示唆した。
 連邦警察と検察庁は、広報システムがルーラ政権の裏金財源とマネロンのルートであると見ている。連警が狙う第一の伏魔殿は、PTと公社、政府関係の広報までを一手に引き受け、最も取り分が大きいマルコス・ヴァレリオの広報会社だ。同社は大統領府と省庁関係だけで、二〇〇三年に三億三九〇〇万レアルを売り上げた。
 一方、グシケン長官の広報局は、政府関係の広報活動が各部署で独自行動を取り、集中管理されていないことを認めた。広報委託契約を管理する入札機関(SECOM)はあるが、入札願書の内容検討に止まり、業務契約の成約にまでタッチしていない。
 また元部長のCPI証言は、政局の矛先を広報局へ向けようとする駆け引きだと広報局はみなした。郵便局汚職CPIの背後で、連立与党とはいいながらPTとPTBの権謀術策が繰り広げられている。