6月25日(土)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十四日】アウド・レベロ政調会長が二十三日に辞表を提出、ルーラ大統領はコロンビアとベネズエラへの訪問を急きょ中止し、内閣改造を急ぐことにした。大統領は、労働者党(PT)とブラジル民主運動党(PMDB)の連立を主軸とする盤石な政権づくりを意図しているようだ。カリェイロ上院議長とテメルPMDB党首を大統領が昼食に招き、従来のPMDB二閣僚から大幅増員した、二大政党連立の枠組みを説明した。
閣僚三十五人の内、十五人以上が閣外へ去る見通しとなった。レベロ元政調会長は非公式の留任とし、後任にヴァグネル経済開発審議会長が内定した。省庁の整理統合によりインフラ省が誕生し、PMDB下へ編入する予定となった。
二〇〇六年選挙に立候補を検討している閣僚は、立候補の最終期限〇六年四月時点で空席補充の内閣改造を避けるため、即時閣外へ去るよう通告した。今回入閣する大臣は、〇六年選挙で立候補しないことが条件となる。従って、わずか九カ月在任の大臣は排除される。
カンポス科学技術相のように、〇六年四月期限で留任する閣僚もいる。下議選へ立候補するための即時辞任を大統領が希望する閣僚は、オリベイラ通信相、ケイロススポーツ相、ベルゾイーニ労働相、アナニアス社会開発相、ジュカー社会保障相、シウヴァ環境相など。
都市計画相と保健相の次官十人が更迭。ロウセフ官房長官のように異動する閣僚は四人、ヴァグネル氏とゴーメス氏、ギア氏。噂のパロッシ財務相は、政治危機も内閣改造も経済に影響はないとしている。ジルセウ氏の辞任で内閣改造どこ吹く風と言えるのは、財務相だけといえそうだ。
政治危機は政界が解決し、経済問題は経済スタッフが解決に専念すると財務相が述べた。緊縮財政と金融引き締めを柱とするオーソドックス経済政策に批判的なPT左派の先鋭化を、同相が恐れている。次期大統領選に向けて、汚職摘発と景気低迷をセットにして攻撃材料とする野党の策略を財務相は非難した。
政治危機と景気低迷は関係ないが、政治危機がカントリーリスクを引き上げ、結果的に景気低迷につながるというシナリオを財務相は危惧している。医学的にいうなら、政治は予防医学であって治療医学ではないという。経済は突風や豪雨などの政治危機に耐える体力作りが課題で、突風や豪雨を避ける気象対策ではないとした。
ブラジル全国司教会議(CNBB)は二十三日、ブラジルの汚職は地域特有の風邪のようなものだが、肺炎へ悪化することもあるとケイロス副会長が評した。アギネロ会長も、汚職は十九世紀以前からブラジルの気質として定着していたと述べた。
汚職解明と不正資産没収を担当する政府機関が別々なため、最後はウヤムヤになるとCNBBは嘆いた。汚職一掃は市民レベルの倫理観覚醒から始め、憲法改正と政治改革の運動にまで及ぶ必要があるという。政府機構の中に役職が二万部署もあり、政権を獲得した党が山分けするなど、時代錯誤も甚だしいとCNBBは批判した。