ホーム | 日系社会ニュース | 非日系大学生=1級最優秀賞=パラナ州日本語作文コンクール=第2回応募総数〃激増〃

非日系大学生=1級最優秀賞=パラナ州日本語作文コンクール=第2回応募総数〃激増〃

6月25日(土)

 パラナ州で実施している日本語作文コンクールで、非日系のエロイーゼ・ペゴラロ・レモスさんが一級の部最優秀賞に輝き、十八日、ローランジア移民センターの会館で表彰式が行われた。応募総数百七十五点、二十八の日本語学校からの参加があり、第二回目にして前回の九十八作を大幅に上回る大規模なコンクールになった。
 一昨年、青山鑛一元クリチーバ総領事の提案で始まったという同コンクールは、今年は同総領事館とパラナ日伯文化連合会の共催で「私の国ブラジル」というテーマのもと行われた。日本語能力試験の級別に審査され、最優秀賞と優秀賞、優良賞、努力賞が選ばれた。
 応募者のうち、日系百六十一、非日系十四、男子七十、女子百五。努力賞までの五十点のうち、非日系は五点あった。
 エロイーゼさんはパラナ連邦大学で社会科学を学ぶ二十三歳。高校二年生のときにロータリーの留学制度で日本に行くことが決まってから日本語を勉強し始めたという。「とにかく外国に行ってみたいと思っていました。日本に決まったのはデスティニー(運命)だと思います」と流暢な日本語で話す。「留学中は書道を習い日本文化が好きになりました」と話す通り、とめ、はね、はらいのきちんとした丁寧な字を書く。受賞に関しては「驚きました、今日は緊張しています」と答えた。
 賞状授与の後で作品発表があり、エロイーゼさんは自身がポルトガル・イタリア・スペイン・フランス・インディオの血を受け継いでいることに触れ、殖民の歴史を交えながら、ブラジル人の国民性について書かれた作文を読み上げた。会場からはあまりに自然な日本語に驚きのため息が聞かれた。
 JICAシニア・ボランティアの松原美佐子さんは審査講評として「ただのブラジル紹介の作文になっているものもあったが、家庭での具体的な会話など自分の身近なことから、結びつけた作品は読みごたえがあった、原稿用紙の使い方もよい」とコンクールの成功を伝えた。
 各級最優秀、優秀賞は次の通り。一級―レモス・エロイーゼ(クリチーバ日本語学校)、増田二郎(パラナグア日本語学校)。二級―大久保すみえ(清心学園)、鈴村直子(生光学園)。三級―大貫ゆみ(クリチーバ純真学園)、宇治田明日架(バンデイランテス日本語学校)、四級―高槻ヘレン美香(公文クリチーバ・セントロ教室)、大田ミドリ(パラナ連邦大学日本語講座)。
 全員に賞状が渡され、優良賞まではトロフィーが、努力賞受賞者にはメダルが贈られた。また、マリアルバ日本語学校へは最多応募の特別賞が贈られた。