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本門佛立宗=笠戸丸でブラジルに=来年開講=百五十年=日本から日誠上人

6月25日(土)

 本門佛立宗が来年一月、開講百五十周年を迎える。これに先立ちブラジルで実施される記念法要のため、日本から第二十四代講有小山日誠(にちじょう)上人が来伯している。
 十九日にリンスで行われた法要には約六百人が出席。サンパウロでは二十六日、ヴィラ・マリアーナ区の日教寺で記念法要が執り行なわれる。
 来伯中の石井日數・同宗宗務本庁弘通局推進部長、田尾清ブラジル本門佛立宗理事長など関係者が、案内のため本紙を訪れた。
 来伯したのは小山日誠上人ほか同宗宗務本庁関係者、信者など十七人。一行は到着後、サンパウロ市イビラプエラ公園の開拓先没者慰霊碑を訪問。サンパウロに先立ち十九日、ブラジル開教の地であるリンスの大宣寺で百五十周年の記念法要と、ブラジルにおける同宗開教の祖である茨木日水上人の墓前法要を行った。
 またこのたび、日誠上人がサンパウロ市名誉市民章を受けることに決まり、二十日にサンパウロ市議会で伝達式が実施された。
 本門佛立宗は一八五七年(安政四年)、日蓮宗系の本門佛立講として京都で開かれた。ブラジルにおける布教の歴史は一九〇八年、笠戸丸移民の中で唯一の宗教者としてブラジルに渡り十一の寺院を築いた茨木日水上人が、この国における同宗布教の先駆けとなった。同じ笠戸丸移民の団長を務めた皇国植民会社・水野竜も、その信者だ。
 現在、ブラジル国内の佛立宗寺院は十一カ寺。信者は約四千五百世帯を数える。世代交代も進み、各寺の住職は二世に変った。非日系の住職も誕生している。
 日本移民の歴史の中で歩みを続けてきたブラジル本門佛立宗。移民百周年にあたる二〇〇八年、同宗もまた百周年を迎える。
 節目の年にあわせ現在、記念行事の開催も検討されているという。「ブラジル側にも記念事業の企画を依頼しています。仏教徒らしい、何らかの記念行事をできれば」と石井さん。
 サンパウロでの記念法要は二十六日、ヴィラ・マリアーナ区の日教寺(イバラギ・ニッスイ街一六六番)で執り行なわれる。
 日教寺のほか隆昌寺、法昌寺、佛立寺、蓮徳寺、妙連寺の合同。午前八時から一回目、午前十時から二回目の法要が行われる。問い合わせは日教寺(電話11・5572・7273)まで。