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PMDB知事ら連立に反対=「火中の栗拾うな」=冷却期間を党首に進言=揺れる「政治危機克服の切り札」

6月28日(火)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十七日】ブラジル民主運動党(PMDB)のクエルシア氏やガロチーニョ氏など元知事を含む同党所属の七知事が二十五日、労働者党(PT)との二大政党連立案に反対の意向を表明した。PTはPMDBとの連立強化のため従来の二閣僚枠から、さらに四閣僚増やすという。政府は汚職疑惑で野党の攻撃対象となる省庁をPMDBへ宛てがい、政治危機を乗り切る考えのようだ。PMDBは二十七日、火中の栗を拾う連立の行方について討議を行う。
 PMDBの知事七人と元知事二人は、PTとの連立強化によるPMDBの入閣枠拡大案を拒絶する意向を表明した。二閣僚プラス四閣僚とする政府案の受け入れについて討議する臨時党大会の開催も、知事らは無用としている。
 知事団は二十七日、首都に集まり、テメルPMDB党首やサルネイ上議、カリェイロ上院議長などを始めとする親政府派議員を交えて、政府案の意図と今後の動向を討議する。
 ルーラ大統領は二十三日、PMDB党首と上院議長を昼食に招き、政権の根幹となる鉱動省と都市開発省、保健省、社会統合省の四省をPMDBへ提供することを示唆した。既存の通信省と社会保障省は留保とし、さらに四省が転がり込む美味しい話であった。
 PMDB反政府派の中でも穏健派のテメル党首は、大統領提案について党大会で図り、是非を決めるとした。大統領は、政治危機を乗り切るためにPMDBを切り札とする意向だ。上下両院の議会調査委員会(CPI)で、大統領は政府支持の基盤を固めようとしている。
 上院でPMDBは二十三議席を有し第一党、下院では八十五議席で、第二党の議席を占めている。党首は二十三日以来、党員へ政府案の受理について打診した。多数の意見は、臨時党大会を開催し決定するというものだった。前回の党大会では閣僚席を返上し、連立を解消することで党決議とした。しかし、二閣僚の本人が、党決定は法的に問題ありと決議を拒否した。
 PMDB知事団が、党大会の開催は全員が必要と認めた場合に限るとした。全員の合意がない党大会は、分裂を招くだけという。知事団は、十日間の冷却期間を党首に進言した。同期間を経て後、知事団は政府提案を葬る考えらしい。
 一方、PMDB親政府派の上院議長は、党を挙げての政府との連立強化は困難とみている。短期間に党内の合意が得られない場合、親政府派は現状維持を大統領へ返答するものと思われる。政府案がPMDBによって拒絶された場合、大統領によるサルネイ派の単独抱き込みも予想される。
 政府とPMDBの連立強化は、まだ予断を許されない。連立強化に失敗すれば、三十五閣僚の内十五閣僚を交代するという内閣大改造そのものが無意味だ。
 二十七日の知事とPMDB首脳会談の内容次第では、予定されている大統領と知事団の対話は無意味になる可能性がある。クエルシア氏は二〇〇二年、ルーラ氏を支援したが見返りがなかったと不満を漏らした。ガロチーニョ氏は細君の知事が再々財務省へ陳情したが、冷淡に扱われた経緯がある。