6月28日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】今年に入ってから民間企業の社債発行が急増し、資金繰りの形態が様変わりしてきた。国内投資銀行協会によると、今年一月から五月までで社債発行額は二二二億レアルに達し、過去五年間で最高となった。二〇〇三年同期は三六億レアル、昨年は三二億レアルどまりだった。
同協会によると、この動きは昨年の経済成長を機に始まったものが、今年に入り一気に実現したものだという。とくに金融界ではイタウー、ウニバンコ、ボストン、ブラデスコの各銀行がリージング会社を通じていち早く実行に移し、総額一二五億レアルで六〇%を占めた。この背景には個人や零細、中小企業の顧客の増加がある。社債は定率の利回り保証付のため人気を呼び、三年から五年、中には十年に及ぶ長期もある。これまではせいぜい一年が最高だった。
また、外貨建てがわずか二〇%となり、従来と異なってレアル建てとなった点が注目されている。ドル安(二十四日の終値は二・三八レアル)の影響もあるが、外貨建てだとヘッジ(為替リスクの回避策)を行う必要があり、コスト高となる。
国道や州道を管理運営するノーヴァ・ドゥトラとアウトバンの場合、銀行間預金証書(CPI)付一〇五%の一億五〇〇〇万レアルの六年期限社債を発行したところ、規定の三倍以上の注文が殺到した。このため同社では不動産取引所の承認のもと、二億五〇〇〇万レアルの追加発行を行った。
またカマルゴ・コレア・セメントはCPI付三年期限で一〇三%の一億レアル、同一〇四・五%の五年期限もの二億六〇〇〇万レアルの計三億六〇〇〇万レアルを発行して完売した。そもそもは三億レアルの予定だったが、注文が多く増額したもの。
このほかサベスピ、セルジ、レッコ、ネットサービス、ウルトラパル、コペル、ガフィサ、トラクテベルなどの企業もこぞってレアル建社債を発行している。