6月29日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】郵便局と再保険院(IRB)管理職の解雇と、リスボア長官のIRB総裁への起用は汚職告発の落し子といえる。しかし注意すべきは、労働者党(PT)の体質が汚職摘発を単なる役職再分配の場にしたことだ。
連邦政府機関が五月の蝿のような輩の遊び場になっていることを、PT執行部も知らない。おまけに、咎められることはない。まるでPT党員の楽園である。
リスボア氏は四月までパロッシ財務相の右腕だった。古典的な経済政策の立案者で、評論家から煙い存在だった。同氏がIRB総裁に起用されたのはIRBの民営化が目的で、悪徳管理職の手から取り上げるためであった。
ルーラ政権とカルドーゾ政権の相違点を指摘するなら、PTはまず公社を肥満体質の大世帯にする。どの民営化計画でも、基準監督局は機能を近代化されず、怠慢で無能な機関にされる。
民営化は一九九一年、コロル政権から始まり、イタマル政権下で急ピッチに進んだ。電話事業や石油化学、製鉄、鉱石採掘、公立銀行などの近代化で資金不足に悩んでいたからだ。民営化はそこで取られた苦肉の策だった。
IRBは公社の中で郵便局よりも小さい公社だが、民営化でPTの予期せぬ抵抗を受ける。PT政権は、思想的な理由で民営化に反対したわけではない。公社の経営管理は、リスボア氏のような専門家に委託するのが目的であった。
IRBと郵便局の民営化が計画通りに遂行できれば、電力関係の公団も民営化が行われる。エレトロブラス傘下のセピーザは経営不振でお荷物になり、民営化が急がれている。
ペトロブラスでは、ガス用パイプライン敷設会社ガスペトロとTMNが赤信号を点している。責任者は、ロウセフ鉱動相に進退伺いを今週、提出する。PT体質が感染したのは、連邦政府だけではない。
リオデジャネイロ州でPTは、小さなお口の党と呼ばれる。PTは政党ではなく、親族や友人への就職斡旋機関という意味である。その是正を訴えているのが、スプリシ上議である。地方自治体の管理や民営化は、PTにとって政治的予防策だ。