6月29日(水)
第十五回いわて餅まつりが二十六日午前十一時から、サンパウロ市内の県人会館で行われ、三百人以上が来場し、百八十キロもの餅が平らげられた。岩手県人会婦人部(千田マサ部長)の主催で、青年部や役員らが全面的に協力した。
「わしゃ、このゴマ餅が最高です」。
県人の高橋昭二郎さん(78)は顔をほころばせながら言う。「七つで来たから〃故郷の味〃といっても良く分からない」。妻と息子二人を連れてきた。
匿名希望のアチバイア在住の六十代男性は「やっぱり、ふるさとは遠きにありて〃味わう〃もの」としゃれ、「友達に会えるこの日を楽しみにしてきた」と語った。
同県人会で毎週練習をする雷神太鼓の近澤セイチさん(21、三世)は「甘くないショウユ味が一番」。青年部に混じって、何臼も餅つきを手伝った。
当日は九種類もの餅があり、九レアルで食べ放題。何回も列に並ぶ姿が見られた。中でも、大洋漁業の金宝丸からもらったカニ肉の入ったお雑煮は大評判で、作る先からなくなっていた。
餅米はイグアッペの生産者、高橋義明さんから卸値で売ってもらったもの。千田昿暁会長は「いつもみなさんの協力があるおかげです」と感謝する。
八月一日にはパラグアイのピラポ移住地の岩手県人会創立四十五周年が開催される予定で、「バス一台借り切って、みんなでお祝いに行ければ」と考えているという。
積もる話とカラオケで、会員らは楽しい時間を過ごした。