7月1日(金)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙三十日】議会調査委員会(CPI)への出頭に先立ちジェフェルソン・ブラジル労働党(PTB)党首は二十九日、FURNAS(中央電力公団)が裏帳簿を設け、毎月三〇〇万レアルをPT本部始め関係者へ横流ししたことを、同公団技術部長、トレード氏の告発として取り上げた。三〇〇万レアルのうち一〇〇万レアルを労働者党(PT)本部へ、一〇〇万レアルをPTミナス・ジェライス州支部へ、五〇万レアルをブラジル社会民主党(PSDB)から連立与党へ寝返った議員へ、五〇万レアルをFURNASの役員へ報酬として配分したという。
衝撃の事実を暴露するとした三十日のCPI証人喚問を前にPTB党首は、FURNASでも公金横領の背任行為が行われたことを記者団に明らかにした。FURNAS総裁の役職は、ルーラ大統領自らPTB関係者に提供されていた。
FURNASをPTの裏金工作の拠点にと考えていた大統領は、同公団から一〇億レアルを調達するためネーヴェス・ミナス州知事と親しい公団技術部長の失脚を画策していた。同州でのPTの暗躍を組織内組織と判断した州政府は、同計画の前に立ちはだかり、PTの陰謀を挫折させた。大統領の知事懐柔作戦も座礁した。
一〇億レアルは、月三〇〇万レアルに減った。党本部への一〇〇万レアルはソアレスPT財務担当の手に渡され、PTミナス支部への一〇〇万レアルは同支部のロドリゴ管理部長の手に渡された。残りの一〇〇万レアルは折半し、半分はジルセウ前官房長官の招きに応じたPSDB議員へ、残り半分は横領背任の労を取ったFURNAS役員への謝礼とした。
PSDBから寝返った議員は、ルイス・ピアウイリーノ下議とオスマニオ・ペレイラ下議、サルバドール・ジンバウジ下議の三人。三人は部下をFURNASの管財部署へ送り込み、経理操作を行わせた。技術部長は、大統領の同部長失脚の画策を阻止するため、PTB党首に内部情報を提供していた。
ジェフェルソンPTB党首は四月二十六日、プラナウト宮に大統領を訪ねた。決別前の最後の訪問となった。話は技術部長の更迭についてだった。更迭には、ミナス州知事や下院議長、イタマール・フランコ氏が反対し、前官房長官も留任を了承した。現官房長官も留任を認めた。FURNASを舞台にしたPTの暗躍でかぎを握るのが、同技術部長である。
三十日に予定の郵便局汚職CPIでは、同PTB党首が、郵便局と裏金配布、FURNASの三点セットでPT首脳部に対し宣戦布告すると予想される。連立与党を率いるPTが政府機関の最も美味しい部分を独り占めにし、お裾分けを連立与党へ回した事実を白日の下にさらすらしい。
次に、政権ぐるみの不正行為を指揮したジルセウ構想の実体を暴露。ジェフェルソンPTB党首は、裸の王様きどりのルーラ大統領だけを一連の告発から救い出す考えのようだ。それが駄目なら懐柔作戦を採り、不如意な政局の中で悩む、誰も知らない大統領の素顔を国民に伝える。ルーラ大統領は、ブラジル史で最初にして最後の国民の期待を双肩に背負う「希望の星」として演出してもらう。