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夫と愛のひとときを…=女性刑務所で粋な計らい

7月1日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】サンパウロ市タトゥアペー女性刑務所では毎月の最終土曜日の面会日に、夫婦だけで愛の時間を過ごす粋な計らいを実施している。男性の刑務所では一九八七年に許可されているが、女子は三年前に刑務所長の決断で実行された。
 男子の場合、一般房で妻と一時を過ごすが、二段ベッドに敷布をかけて覆いをして妻と同伴であることを知らせる。同居人は気を利かして外に出るのがエチケットとなっている。しかし、同刑務所では別棟に小部屋を新設、寝具マットや衣服、シート、石鹸に加え六個のコンドームを支給している。時間は三時間、警備員がドアを叩いて終わりを告げる。
 三年前に実行する時点で刑務所側は服役者が六百六十五人だったことから多数の申し込みがあると予想したが、申し込み者は三十五人と意外に少なく、正式な夫婦や面会に来る夫が少ないことを思い知らされた。それでも十六室の愛の部屋を新設したが、利用者は毎月五人のみだった。このため十六室を十二室に縮小したが相変わらず閑古鳥が鳴いている有様だ。
 いっぽうでカランジル女性刑務所でも同様、三年前から二十室を設けたが、服役者七百人のうち申し込みはわずか三十人だった。愛の部屋の利用はまばらで大半が空室で終わる。刑務所によると、面会日には長い列ができるため、それを嫌って面会に来ない夫が多いという。
 また同刑務所では昨年の暴動でほとんどの寝具マットが焼失したため、愛の部屋に行くのに折たたみマットやシーツ類の大きな袋を抱えて所内を横切っていかねばならず、他の女囚らの嫉妬と羨望による卑猥な野次や冷やかしに耐えなければならないのが苦痛となっている。しかし、パスポート偽造の罪で服役している中国人女性は野次や冷やかしに屈せず、毎月堂々と愛の部屋に通っている。「こうしなければ旦那に逃げられてしまうからね」と、いたずらっぽく笑う。
 また麻薬取締りで逮捕され、タトゥアペー刑務所に収監された三十五歳の女性は、夫が好物のスパゲッティやヤキソバを持ってきて一緒に食べるのが楽しみだとして、これまで貧乏のため二人でゆっくり過ごす時間がなかったが、水入らずの面会日が待ち遠しくて指折り数えて逢瀬を楽しみにしていると、幸せ一杯に語っている。