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サンパウロ市民の4割が市政に不満=前市政末期と変わらず=両極端な保健部門の評価

7月2日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙一日】サンパウロ市民の四〇・九%が、セーラ市長が公約を実施しないとし、不満を抱いている。セーラ市政の下、六カ月が経過したことで、サンパウロ州の調査機関が十八日と十九日にかけ、市内各所で六百十五人を対象に意識調査を行った。
 それによると、前出の不満足度はマルタ前市政の末期と変わらないが、マルタ前市長の就任後六カ月の時点より全般的に評価は高い。調査では「悪い」と評価したのが三二%で、前市長の三九・九%より低く、「良い」は二二・八%で同一六・二%を上回った。「普通」は四〇・四%対三六・三%だった。政権交代による効果については大差なく、三〇・八%が悪くなったとし、二五・九%が良くなったと答えた。
 調査は十八歳から六十八歳にわたり、年齢層、学歴、職種を問わず、ほぼ同じ結果となった。信ぴょう性は九五%としている。この評価について関係筋は、政権交代の過渡期に過ぎず、その点からすると評価は高いとし、マルタ前政権の巨大なツケを一つ一つ解消するだけでも至難の業だったと指摘している。
 部門別では保健が優劣いずれもトップとなった。「最も悪い」が三一%、「最も良い」が二一・四%で、市民によってとらえ方が異なっている。最悪部門では続いて公共交通が一六・三%、治安が一〇%、教育が九・七%、水害対策が七・七%となっている。最良部門での二位以下は、教育が一二・九%、市内清掃一二・九%、公共交通一〇・七%、治安七・九%、渋滞五・七%となった。マルタ前市長の就任半年間ではベストが市内清掃一一・七%、教育七・一%、公共交通六・八%などで、ワーストは公共交通三一・六%、保健一八・七%、治安一〇・二%だった。
 セーラ市長の保健政策で賛否が分かれていることから関係筋は、同市長が保健相を歴任したことで、期待が過大化していると指摘する。これに対しクリスチーナ保健局長は、前政権が放置したものを今すぐ活動させるのは至難の業としながらも、市内の無料保健所や病院での医薬品の在庫は、前政権時に二〇%だったのが、一月には九〇%に増加したと説明する。
 また東部チラデンテ区の公立病院建設に着工し、新たに南部エメポイ・ミリン区に建設を計画していることを明らかにした。診療所での待ち時間が長いことについては、「治療が終わった人は満足し、待っている人は不平を言う」のは人間の心情だとし、無料である以上、ある程度の我慢が必要との見方をしている。
 関係筋の間ではセーラ市長の今後に期待する向きが多い。その理由として同じ党のアウキミンサンパウロ州知事との一枚岩での施政にある。このアベック政権はすでに実績を挙げている。五月の豪雨による水害では、知事がマルジナル・チエテ道の不備を非難してセーラ市長が一時ヘソを曲げたが、すぐに仲直りし、共同で排水溝を建設することになった。政党が違うとこうもいかず、確執へと発展していた。また前出の医薬品調達や病院建設にも全て州政府が援助している。