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PT事務局長が辞任=名誉挽回に専心=「常に後手」党首批判高まる=ジェ下議がまた白星

7月6日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】裏金配布の支配人と告発された労働者党(PT)のシウヴィオ・ペレイラ事務局長は四日、党執行部の正式決定を待たずに辞表を提出した。前事務局長は、告発の犠牲となったことで今後は名誉挽回に専心すると述べた。また前事務局長を名指しした告発に対しては、下院倫理委員会が真相解明の審理を行うよう要請し、告発はいわれなきえん罪であることを強調した。前官房長官の辞任に続く二人目の幹部辞任は、ジェフェルソン下議の白星といえそうだ。
 ジルセウ官房長官とペレイラ事務局長の辞任、ソアレス財務担当の辞任予定というPT幹部三人の失脚、中央電力公団の役員三人の更迭と、ジェフェルソン下議の攻勢は進展している。前事務局長が先手を打った辞任は、広告業者ヴァレーリオ氏の共犯者扱いを心外とする思惑があったようだ。
 前事務局長は告発が始まった六月六日、すでに辞任を覚悟していたという。事務局長と財務担当の辞任で、ジェノイーノPT党首への風当たりは弱まると予想されるが、爆弾を抱えていることに変わりはない。党内主流派に党首の辞任を当然とする見方の多いことが、PT党首の不満となっている。
 PT内には、党の決定が常に後手であるとする批判的意見が多い。ジェフェルソン下議の告発攻勢に対し、党執行部が防御に徹した不手際が指摘された。党首の責任追及の急先鋒は、ベルゾイーニ労相だ。
 ジェンロ教育相は、広告業者を連帯保証人とした責任をとる形での財務担当と事務局長の辞任は、告発前に行うべきであったと述べ、世論の手前、PTの印象を著しく損ねたのに事態の重大性を党首は理解していないと批判した。
 PTが二五〇万レアルの銀行融資を受けるのに、誰が保証人になっていたか知らないのも不覚極まりないと、ロメーニオPT運動部長が非難した。融資を引き出したことを、党本部にも党執行部にも報告がなかったのは遺憾だという。
 銀行融資の一部決済を肩代わりした広告業者とPTとの癒着が判明した現在、PTにとって収拾の目度が立たない戦いが始まった。PTでは「天下の一大事、我こそと思う者は出でよ」と号令がかかった。
 ソアレス財務担当は党内主流派を代表し、二〇〇〇年以来PTの台所を仕切ってきた財政の専門家である。政権獲得後、大統領の要請で手形の決済など党財政の舞台裏を知り尽くした男だ。財務担当のお膳立てで養われてきた党員の誰が、結果が悪いから首を切れと言えるか。財務担当は辞任後、CPIの喚問が待っている。喚問に大統領の介入がないと、火にマキをくべることになりかねない。
 もし財務担当が辞任すると、党の資金繰りができるのはジェノイーノ党首しかいない。プラナウト宮はPT党首の処遇について、広告業者との連帯保証は一面識もなかった故での連座とし、新たな告発がなければ暫定留任と決めた。グシケン広報長官は、汚名挽回には甘いと異を唱えた。
 執行部準備会議は、潔白を訴えるPT幹部の涙の自己批判で、人民裁判の様相を呈した。「一将功成って万骨野に枯る」苦汁の思いを味わっているようだ。