7月6日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】リオデジャネイロ市の三カ所のファベーラで、週末に麻薬取締りの警官隊と麻薬組織メンバーとの間で銃撃戦が展開され、八人が死亡、住民がパニックに陥るなど騒然とした一日となった。
リオ州軍警はインターポリスと呼ばれる複数の州にまたがって捜査の特権を有する連警の主導のもと、三カ所のファベーラを急襲した。インターポリスは電話録音など三カ月にわたる内偵の結果、郵便局員を首領とする麻薬密売組織を突き止めた。
局員はマット・グロッソ州で麻薬を仕入れ、サンパウロ市の犯罪組織、首都第一コマンド(PCC)に卸した品物の中からリオ向けの取分を入手し、自ら郵便局のオートバイを使用して配達していた。これだと警察の目をごまかせるからだ。さらに北東部向けに書留郵便で毎週二キロから三キロを郵送していた。
軍警は今回の出動で一味を全員検挙した。このファベーラ突入の際、麻薬組織のメンバーが発砲したため警官と銃撃戦となり、メンバー六人が銃弾で死亡した。このほか青果店で買物をしていた七十四歳の男性および十歳の男の子が流れ弾に当たって死亡した。
男の子は三日夜、父親の運転する車でファベーラ内の六月祭りに出かける途中で被害にあった。父親は弾丸が頭をかすったが、ケガで済んだ。葬儀をすませた住民ら約五十人は四日、警官隊に抗議して同市の幹線道路のブラジル通り、赤路線、黄路線を封鎖した。これを阻止し制圧するために出動した警官隊と衝突、モミ合いとなった。
死亡した男の子の叔父がファベーラ内四カ所の麻薬密売の総元締めだったことから、抗議集団の中に武器を持った複数の組織メンバーが混じっていた。衝突直後、メンバーらが警官に発砲したため警官も応戦、白昼の路上で銃撃戦となった。このため逃げまどう住民や、通行中の車がバックやUターンするなど路上はパニックに陥った。幸いケガ人は出なかった。住民らはこの後バス一台を借り切り、知事官邸に向い抗議デモを行った。