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軍警が一家族全員を銃撃=母子3人死亡、2人けが=ジアデーマ市

7月7日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】大サンパウロ市圏ジアデーマ市のファヴェーラ(スラム街)ポルチナーリで四日夜、軍警のリカルド・シウヴァ・ドス・サントス軍曹(40)が住民のテレーザさん(51)と息子のファービオさん(15)、エドアルドさん(24)を自宅前で射殺、さらにテレーザさんの夫ジョゼーさん(54)と長男アレッシャンドレさん(29)の二人も銃撃してけがを負わせた後、逃亡した。同軍曹は勤務中で、制服を着用していた。
 目撃者の証言によると、事件の経過として二つが考えられる。(一)同ファヴェーラ内の共同住宅の住民でもあるフィーリョ警官が建物の下水管をいじっている男をみかけ、注意したところ逆に脅されたため応援を求めた。十五分後にパトカーが到着、サントス軍曹がエドアルドさんを見つけ、身分証明書を所持していなかったため署に連行しようとしたところ、ファビオさんとテレーザさんが現れ弁解を始めた。その直後に軍曹は三人を射殺、さらに二人を銃撃した。
 (二)ファービオさんが恋人といちゃついているのを見て腹を立てたフィーリョ警官がファ―ビオさんを殴った後、応援を呼びに行き、駆けつけたサントス軍曹が五人を銃撃した。
 パトカーには他に二人の警官がいたが、射殺の瞬間は見なかったと証言。目撃者の住民は、二人は同軍曹に脅され、わざと捕まえなかったと話している。
 同軍曹は一九九〇年に上官の命令に従わず懲戒免職となったが、裁判所の命令で九五年に復職していた。近所の人の話によると、テレーザさんは真面目かつ働き者で、六〇〇レアルの月収で失業中の夫をはじめ、一家五人の生活を支えていたという。事件に怒ったファヴェーラの住民たちは五日朝、フィーリョ警官の自宅に火を放った。同警官は書類だけを持ち、家族と共に夜中に家を出ていた。