7月8日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】郵便局を舞台とした汚職事件を調べる議会調査委員会(CPI)は六日、ミナス・ジェライス州の広告代理店経営のマルコス・ヴァレーリオ氏を喚問し、尋問を行った。尋問には強制権がなく、不利なことには返答する義務がないことから、同氏の証言は労働者党(PT)との人脈と経営する会社の説明に終止し、的を得た証言は見られなかった。
同氏はPTの裏金工作の張本人と目され、郵便局の広告も請負っていることから関連性に疑惑が持たれている。これに対し同氏は「私は普通のブラジル市民だ」と強調し、身の潔白を主張した。
しかし、これまで同氏が金融に関しては無知だと公言してきたのとは裏腹に、銀行間のロビイストであることが明らかになった。同氏の元秘書(同氏がPTの裏金を調達していたと告発した人物)が公表した行動メモによると、中銀で計三日、会議を行っている。
委員会で同氏はこれを認め、ルラル銀行の頭取に同行したが、一切発言はしなかったと証言した。ペルナンブッコ州立メルカンテル銀行の倒算に関する両行の対策についての話し合いだったという。しかし何故同氏が立ち合ったかについては説明がなかった。
さらにミナス銀行がPTに融資した際、裏書保証をしたこと、その一回目の返済をPTができなかったため、肩代りして支払ったことも認めた。その後、同行頭取を当時のジルセウ官房長官に引き合わせた。アマゾン地区の鉱山開発の話し合いだったという。
同氏は先に辞任したPTのペレイラ事務局長とソアレス財務担当とはしばしば会合を持ち、元官房長官とは単独で四回会った。ジェノイーノ党首とはあいさつ程度で、グシケン広報長官とは面識がないと語った。
同氏が経営する広告代理店の郵便局との契約については五十五社が入札に参加し、三社が落札した正当なもので、世間で噂されているオーバーインボイス(価格を上増しして差額を払い戻す)の事実は否定した。利益は一〇%しかないのにオーバーインボイスは不可能だと明言した。
委員会では、銀行での投資総額、これまで二〇〇〇万レアル以上の銀行引出しが行われたが、その使途、銀行間の話し合いでの役割、何故元秘書が告発に至ったのか、一〇〇万ドルの海外送金の真偽、政治献金の実状などについて同氏に質問が行われたが、返答はなかった。