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コラム オーリャ!

 九二年に故・渡辺少南さんが始めたアルファベット書道。今では筆を使うようになったが、始めは三角に切ったダンボールに墨をつけて書いていたそう。墨と言っても白のペンキに黒の塗料を交ぜたもの。日本の高校生書道展に出展するため、高校生を集めて書いてもらうそうだが、趣味でする人は少ないという。ブラジル人には白と黒の美しさがあまり受け入れられないようだ。
 現在はカリキュラムを確立させるためにブラジル書道愛好会会長の若松如空さんがハンドライトのアルファベットを中心に資料を集め、研究を進めている。「できれば世界中を周って雑誌などから文字を集めたい。理想だけはでっかいんだけどね」と笑うが、「渡辺さんが残したものを失くしたくない。だからまだまだ死ねない」。
 いくつになっても持ち続ける継承に懸ける熱意に心打たれた。 (南)

05/7/9