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PT新執行部体制が始動=党首交代に伴い=政治危機対策部を設置=党による省庁の監視体制強化

7月12日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】労働者党(PT)は十日、ジェノイーノ前党首からタルソ・ジェンロ新党首交代に伴う党執行部会議を開いた。同会議では、閣僚は政策実施の際に党執行部の了承を取り付けるなどの新方針が決定された。閣僚の活動は制限しないが、党が支援できるか否かの説明を求め、従来からの閣僚への一任や独走を戒めた。これには、財務相が経費の厳格管理を標榜したことで、同相に枠をはめる党執行部の意図が伺われる。党執行部は党財政にも介入すると述べた。
 ジェンロ教育相が新PT党首に、ベルゾイーニ労働相がPT事務局長に、コスタ保健相がPT広報担当に交代し、新PT執行部が始動した。新執行部会議は、郵便局汚職と裏金疑惑議会調査委員会(CPI)で混迷する党に対し、対処を指示する省庁政策監査部と政治危機対策部を設置した。
 主な決定は次の通りであった。ピメンテル新財務担当を中心とするスタッフが、裏金配布で引き起こされた党債務二〇〇〇万レアルについて党財政の善後策を練る。政治危機対策部は、ベルゾイーニ新事務局長が指揮を執る。前財務担当と前事務局長の後始末は、党倫理委員会が解決策を模索する。党員が党首を直接選出する党大会は、九月十八日開催。政策監査部は特に財務省を見張る。
 ジェンロ新党首はこれまでの党と閣僚の分立体制をけん制し、党は省庁の側面支援と協調体制を築き、不正の入り込む余地がないかを監視するという。また財務省が掲げる経費管理の旗印のもとで、最初に犠牲となりそうなPTの目玉、社会福祉政策に党は注視するとした。
 党幹部が数多の不正に関与したことで、コスタ新党首は、新執行部がPTのイメージ一新に努めると誓った。広告業者ヴァレーリオ氏との関わりは、事実の解明ではなく、倫理問題として扱うべきだと強調した。PTの活動資金の道義性が、いま問われているというのだ。
 PT新執行部は、広告業者ヴァレーリオ氏が裏金配布の名目でもたらした党負債の全容解明を行うことを決めた。PTは直ちに政治日程表に合わせ、毎日出納簿に会合目的と歳出入などを記帳する。これで不正資金の動きを取り締まるらしい。これ以外の資金の動きを党は認めないし、違法行為とみなすというのだ。
 過去の資金の動きは、連邦警察に一任する。新執行部の発足以後は党則に違反した場合、倫理委員会メンバーといえども例外なく罰則を課す。特にヴァレーリオ氏の連帯保証で乱発した銀行債務は、違法取引と見なし決済交渉を行う。しかし、政治責任を追及されることになりそうだ。
 ミナス・ジェライス州出身のデウガード下議(PT)は、PTサンパウロ州勢の密室政治を非難した。同下議によると、PT党内の勢力争いが支持基盤を崩壊させ、ルーラ大統領の失脚の原因にもなるという。PTの崩壊は、マルタとジョアン・クーニャ、メルカダンテというサンパウロ州出身の悪魔の仕業だと糾弾。ジルセウは悲劇作家シェイクスピア、前財務担当と前事務局長は親分の犠牲者だというのだ。新執行部をサンパウロ州以外から選んだのが、せめてもの救いだと述べた。