7月12日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十一日】労働市場へ進出する女性が増えているが、家事負担の点で男女平等意識に改善は見られず、仕事と家事の両立を望む女性にさらに負担がかかっている実情が、エコノミストらの研究により明らかとなった。
ブラジル地理統計院(IBGE)が二〇〇三年に実施した全国家庭調査(Pnad)によると、一九八一年には四〇%を占めた家の外で働く女性は、〇三年には六九%に増加した。しかし、一週間に家事を行う平均時間は女性の二十八時間に対して、男性は十一時間と半分以下で、仕事に就かない男性でも十四時間(女性は三十六時間)に過ぎなかった。
リオデジャネイロ州で実施された調査結果によると、「家事を誰がいつも、または大抵しているか」との質問に、洗濯は八八・五%、食料品の買い物五〇・九%、掃除七九・四%、料理七九・一%、皿洗い七三・五%、子供の世話は九五・七%の女性が「している」と答えた。男性は、食料品の買い物二二・九%、子供の世話一四・六%のほかはいずれも一桁台だった。
子供の世話については、男性の半数近く(五六・二%)が妻と平等にしていると答えたが、女性は〇・九%しか平等と答えなかった。しかし、男女ともほぼ半数(約五三%)が家事の分担を公平だと答えており、「家事は女性がするもの」という意識が強いことも表れた結果となった。
カンピーナス大学経済研究所が十四カ国を対象に実施した比較調査によると、ブラジル人男性が家事を行う平均時間は一日四十二分と、日本人男性の六分に次いで少なかった。(最も多かったのはデンマーク人男性の三時間十二分)。保育所や全日制の学校教育が普及している先進国とは違い、社会的支援が少ないブラジルでは女性への負担がさらに大きくなると調査担当者は分析している。