7月13日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】連警はブラジリア空港で十一日、自家用セスナ機で一〇〇〇万レアルの現金を積んで飛び立とうとしたジョアン・バティスタ下議(自由戦線党=PFL、サンパウロ州)を脱税の疑いで逮捕した。同下議は世界教会(イグレージャ・ウニベルサル)の教会主で牧師でもあり、ほかの牧師二人を含む教会関係者六人と共に教会所有のセスナ機上で逮捕された。
セスナ機はマナウス、ベレンを経由してゴイアニアに寄ってからサンパウロに向かう途中だった。現金は七つの大型旅行カバンに詰められ、小額紙幣も混じっていたことから、連警では押収した午前十時半から数え始めて午後十時にようやく終了した。正確な金額は一〇二〇万二六九〇レアルだった。
現金の出所について同下議は、教会創立二十八周年の記念集会でマナウスとベレンで信者から寄せられた寄付や献金だと説明している。ゴイアニアでも同様の献金を積んで、サンパウロの本部に届けるつもりだったという。紙幣の数が多いことから銀行経由では時間がかかるので現金で運び、本部の教会維持費に当てることにしていたと釈明している。
これに対し連警では、金融法違反、脱税、資金洗浄の容疑で本格的に追求する構えを見せている。国内の場合、持ち運ぶ現金を制限する法令はないが(海外旅行の場合は一万レアル相当の外貨持出しが上限)、当局に対して金の出所と所得税申告済を証明する義務がある。九日にサンパウロ市で逮捕されたPT党役員はレアル通貨の出所に嘘の供述をしたのと、パンツの中にドル通貨を違法所持していたことで逮捕されたが、これは逃れ様のない罪となる。
同下議は容疑が確定すればPFLの党籍はく奪のほか、議員はく奪の危機にもさらされる。PFLは十二日に幹部会を開き決定するが、ボンハウセン党首は「党のイメージを著しく害した」と憤慨しており、除籍は当然だとの態度を示している。これに対し同下議は「私の本職は政治家ではなく牧師であり、除籍は痛くもかゆくもない」とうそぶいている。