「ブラジルでは一緒に住む家族が介護できるから日本みたいに他人に任せたりしない」。日本の福祉事業に関してのそんな言葉を聞いたとき、それは過信だと思った。そうした圧力で苦労している人はたくさんいるだろう、と。核家族国日本から来たばかりの私は、母親が介護福祉士をしていることもあり、老人介護は家族だけでなくヘルパーなどの専門家に助けてもらってもおかしいことはないと考えていた。
ある家族の、年に一度の家族会に参加させてもらった。老夫妻を中心にその子供の家族、孫の家族、そして友達という広がり二百人以上が参加する大きな会である。孫世代『マゴチャンズ』による踊りやホームビデオと写真の発表を見て非常に感動した。こんなに層が厚くては家族の世話を外の人に任せるなんておかしな話だということを実感し、これが続けばいいな、と願った。(郁)
05/7/13